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21世紀の国際政治 一極覇権から米中対立へ(5)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

21世紀の国際政治の特徴として、米中の対立とグローバル・サウスの台頭を紹介した。最後の第三の特徴を紹介しよう。それは、新たな国際政治の課題に取り組む市民の役割だ。伝統的な領土や経済の問題ばかりでなく、地球環境の保全という新たな問題に人類は直面している。具体的には地球温暖化の課題である。こうした問題の解決において重要なのは、各国の協力である。地球温暖化が引き起こしている異常気象が、バングラデシュもアメリカも、パキスタンも日本も、平等に脅かしているからだ。国レベルでの協力と同時に、国境を越えた市民レベルでの連帯が求められる。また、可能になっている。それは通信・交通手段の発達によって、国境を越えて活動する費用が劇的に低下したからである。かつてなら国家にしか行えなかった「外交」に市民組織が関与できる時代が来ている。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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