環境と国際政治(5)
冷たい北極海が熱い領有権争いの焦点となるのか,と懸念される。国際政治の熱さが氷解のスピードを加速しそうな勢いでさえある。だが言葉のやりとりの激しさに比べると実際の動きに関しては,北極海周辺諸国は,冷静さを保っている。争いが始まり,国際法的な秩序が乱されれば,莫大な投資を必要とする資源開発などは始まるはずもない。どの企業も,そうしたリスクを背負おうとはしないからである。経済的な利益への関心が,領有権主張への衝動を抑えているのだろうか。
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