NY金11日:ドル高連動で軟化、米小売統計は利上げ支持か
COMEX金8月限 前日比比6.20ドル安
始値 1,185.70ドル
高値 1,187.40ドル
安値 1,174.80ドル
終値 1,180.40ドル
為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、反落した。
アジアタイムは1,180ドル台後半での小動きになったが、欧州タイム入り後に為替相場がドル高方向に振れたことで、一気に1,180ドル水準まで値位置を切り下げている。ただ、ニューヨークタイム入り後に更に売り込むような動きまでは見られなかった。
本日は米長期金利の上昇にブレーキが掛かったが、それ以上に欧州債利回りの低下幅が大きかったことで、為替はドル高方向に振れている。米国よりも欧州圏の金利の振れ幅が大きくなる中、米金利が低下した方がドル高要因になる、教科書的な解説とは異なる値動きが観測されている。このため、まだ金融市場では不安定な地合が続き易く、なお瞬間的な上昇圧力には注意が必要な状況になっている。
ただ、5月米小売売上高が前月比+1.2%と底固さを見せる中、金相場が本格的に上昇するリスクは限定されている。市場予測通りの結果でサプライズはなかったが、米消費環境の改善傾向が示された形であり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手の流れが改めて意識され易くなっている。
米雇用統計後のドル高の勢いは期待外れに終わる中、短期筋のショートカバー(買い戻し)が下値を支えている。もっとも、米国と他国の金融政策環境の違いを考慮すれば、金からドルに対する資金シフトの流れが修正を迫られる必要性は乏しく、戻り売り基調には変化がないと考えている。本日は米株式相場が底固く推移しているが、金融市場全体が不安定化する中、来週16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちのムードに傾斜している。