【日立市】奥日立の湧き水と地場大豆が生む濃厚な味の豆腐。土日は200組来店する人気のとうふ工房。
茨城県日立市入四間町という奥日立の場所に、休日には200組もの客が訪れる、人気の豆腐屋があります。
人気の豆腐屋は、常陸農業協同組合(JA常陸)が管理する『とうふ工房名水亭なか里』。とうふ工房名水亭なか里は、2003年4月にオープンし、今年で21年となりました。
とうふ工房名水亭なか里の敷地内には、古くから人気のあった『木の根坂 湧水施設』があります。この湧き水がくめる場所ですが、以前は道路沿いにあり危険であったことから、現在の位置にとうふ工房名水亭なか里移動しました。この湧き水は古くから多くの方に愛されており、都内からくみに来る方もいるのだとか。
豆腐作りに大切なものは、水とにがりと大豆。水は地元の方にも愛されている木の根坂の良質な湧き水を使い、豆腐を固めるための“にがり”も天然に近い物を使用。大豆は生産者の顔が見える地元の安心安全な大豆を使用しています。
店内の様子です。小さいお店ですが、商品を手に取りレジに持っていきやすい配置なので買いやすいです。取材当日は平日にもかかわらず、開店前から人が並び、次から次へと人が訪れていました。
とうふ工房名水亭なか里の名物商品
●ざる豆腐「みどり」 1,100円(税込)
ざる豆腐「みどり」は、日立市地域ブランド認定品にしていされています。購入後冷蔵庫で一晩置いてから食べると、余分な水分が落ちて風味が増し、食感も少しもちっとします。
店主のおすすめは一口目をそのままで食べ、二口目は塩をかけて食べ、三口目からは自由に食べると味の変化を楽しめてより美味しく食べられるとのことでした。
筆者も店主の教えにならって食べたところ、お豆腐なのに食べ応えのあるモチっと感に驚き、噛んだ後の鼻から抜ける豆の風味にうっとりしながら朝から3分の1程をあっという間に食べてしまいました。
ざる豆腐は、あんこやいちごジャム、ブルーベリージャムをのせて食べるとデザート感覚で食べられるのも魅力です。写真のランキングは、店内のスタッフで実際に作って食べた結果ランキングだそうですよ。
●左:寄せ豆腐(青大豆)300円(税込)、右:もめん豆腐(青大豆)280円(税込)
青大豆(アオゴゼン)を使用した、寄せ豆腐と木綿豆腐です。とうふ工房名水亭なか里の青大豆のお豆腐は、豆の風味を残しつつ、まろやかで食べやすい味なので、青大豆の豆腐が苦手という方にもおすすめです。
●おからドーナツ(5個入り) 350円(税込)
おからドーナツは、豆腐作りから出た“おから”と“豆乳”を使ってできています。甘さは控えめですが、生地の表面がさっくりと香ばしく、中はもちっと、後を引くようなほんのり甘くておからの軽やかな味わいがくせになります。
揚げたてのドーナツをご提供いただきました。サクサクの食感の中にほくほくとした優しい甘みが口に広がり贅沢なひと時に取材を忘れそうでした。ドーナツはとても人気で、一人で5個食べてしまう人もいるほど。手が止まらなくなる訳は食べてみれば分かります。
●厚揚げ一口(8個入り) 260円(税込)
一口サイズの厚揚げは、大きな厚揚げよりも一口で食べやすいサイズにカットされているので、お料理のアレンジもしやすいです。みぞれ煮などにして晩酌のお供にもぴったりな一品です。
●青大豆(アオゴゼン)1kg:700円(税込)・白大豆(ミヤギシロメ)1kg:500円(税込)
大豆は青大豆と白大豆の二種類使用しており、店内で販売もしていますので、自家製豆腐を作りたい方は、木の根坂の湧き水とくんで作ると美味しい豆腐ができるかもしれません。
とうふ工房名水亭なか里の美味しさの秘密
とうふ工房名水亭なか里の豆腐が人気なのは、良質な湧き水やこだわった材料の他にも、作り手の真心がたっぷりと詰まっているからだと筆者は思い、今回作業場も少しだけ見学させていただきました。
大豆を水に浸し柔らかくしたところに、水を加えながらすり潰したものを『呉(ご)』と呼ぶそうで、この呉をさらに圧力をかけた後に、豆乳とおからに分けます。
大豆を煮たり、粉砕したり、圧力をかけおからと豆乳に分けるところまでは機械を使用しますが、工程の管理をしたり、最後のひと絞りは人力であったりと、手間暇のかかる作業です。
絞りだした豆乳に“にがり”を投入し、混ぜる作業となりますが、この時の豆乳を混ぜる力加減や早さ加減がとても重要で、職人技にもなる繊細な作業です。重要な作業と教えてもらい思わず息をのんで見入ってしまいました。
できたての豆腐をパックに分けるため一度水に入れるのですが、この時も綺麗に固まった豆腐を崩さずに水の中に移す作業も意外と大変な作業のように筆者は感じました。作業はとても丁寧なのですが無駄の無い見事な手さばきであっという間に終わってしまいます。
流れるような見事な手さばきで、あっという間に終わってしまいました。一つ一つの作業工程を聞くだけですと単純なように感じますが、その一つ一つの作業には確かな腕が必要であったりもして、この人たち無しには美味しい豆腐が食べられないと思うと、とてもありがたいなあとしみじみ思う筆者でした。
できたてのお豆腐をすぐに食べたい方は、店舗前にベンチがありますので、こちらでゆっくり食べてから帰るのもおすすめですよ。
こだわりの原材料とじっくりと手間暇かけて丁寧に作られた豆腐は、とても美味しく格別です。
取材中に来ていた方も、月に3回は来ているのだとか。営業時間も16時30分までとなっていますが、当日販売分が終了するとお店も閉店してしまいますので、絶対に買いたい方は、午前中の来店をおすすめします。
御岩神社の参拝帰りの方や、近くを通る際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
常陸農業協同組合とうふ工房名水亭なか里
■住所:茨城県日立市入四間町821-1
■営業:9時~16時30分
※当日製造分の数量が販売完了時点で閉店。
■定休日:火曜日
■電話:0294-22-6025
■駐車場:有(無料)
■ホームページ:とうふ工房名水亭なか里