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カネロ・アルバレスがスーパーミドル級4団体を統一!

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Photos from Ryan Hafey / PBC

 「決して楽な道程ではなかったです。サポートしてくれた方々、家族やチームのお陰で歴史的な勝利を飾ることが出来ました。今日の勝利を、皆さん---特にメキシコの人々に捧げたい。あなた方は私のチームの一員です。我々はやり遂げました!」

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 第11ラウンド1分5秒でケイラブ・プラントをTKOで下したサウル・”カネロ”・アルバレスは、試合後のインタビューでそう語った。普段ポーカーフェイスの彼も、流石に満面の笑みを浮かべていた。

 10ラウンドまでの採点は98-92、97-93、96-94と、統一戦ではあったが格の違いを見せ付けた。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 身長で12センチ、リーチで9センチ、相手に上回られていたWBA/WBC/WBOチャンピオンだが、巧くプラントのジャブをかい潜り、序盤から左フックをヒットしてペースを掴んでいった。 

 クロスレンジでの打ち合いでは、カネロの正確さが光る。21戦全勝12KOと負け知らずだったIBF王者だが、ダメージを蓄積させていく。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 11回、左右のボディブローでプラントの動きを止めたカネロは、左フック、右アッパー、左アッパーを放つ。プラントは堪らずプロ生活初のダウン。起き上がりはしたが、グロッキーなまま統一王者に連打されてストップ負けを喫した。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 カネロは、「ケイラブはいい選手です。心から尊敬していますよ。彼に能力があるからこそ、難しい相手となりました。彼が戦い続けたので、いい試合になりましたね」と語り、敗者を気遣った。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 さて、何度かお伝えしているように、この歴史的一戦にカネロは<メイド・イン・ジャパン>のリングシューズで挑んだ。

 ミズノ社にとっても、この舞台での金星に貢献したことが功績となるであろう。担当の方にコメントを求めると、以下の回答であった。

 「4団体統一、誠におめでとうございます。偉大なチャンピオンに長きに渡り弊社のボクシングシューズを愛用頂き、大変光栄です。更なる高みを目指し益々のご活躍を祈念致します」

 4団体統一スーパーミドル級タイトルマッチは、ジャパニーズ・メーカーの技術の高さも証明したのである。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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