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沖縄が梅雨明け 本州は大雨シーズンへ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
6月25日那覇市の様子(森田正光氏撮影)

 きょう(25日)午前、沖縄で梅雨が明けました。平年より4日遅く、昨年より5日遅い梅雨明けです。強い日差しが照りつける那覇ではすでに気温が30度近く、今年一番の暑さとなる見込みです。

 今後、梅雨前線はさらに北上し、本州付近に停滞する見込みで、九州から東北地方にかけての広い範囲で、大雨となるおそれがあります。いつ、どこで大雨になりやすいのか、詳しく見てみましょう。

【6月最終週】梅雨の中休み

 今月は東日本を中心に雨が多く、東京の雨量は平年の2.5倍の341.0ミリに達しています。6月の雨が300ミリを超えたのは2014年以来9年ぶりのことです。

 今週は太平洋高気圧が沖縄だけでなく、本州付近も覆うため、梅雨前線の活動は日本海側や北日本が中心になる見込みです。太平洋側は梅雨の晴れ間となり、非常に蒸し暑くなりそうです。

【1か月予報(6/22発表)の海面気圧予想図】上図は6/24~30、下図は7/1~7:ウェザーマップ作画、筆者加工
【1か月予報(6/22発表)の海面気圧予想図】上図は6/24~30、下図は7/1~7:ウェザーマップ作画、筆者加工

【7月初め】線状降水帯に注意

 7月になると状況は一変します。非常に湿った空気が流れ込みやすくなり、梅雨前線の活動が活発になる見込みです。九州から東北地方にかけての広い範囲で、雨量が多くなる可能性が高くなっています。

 気になるのが4年ぶりに発生したエルニーニョ現象です。エルニーニョ現象が発生すると、梅雨前線が本州付近に停滞しやすくなり、日本海側で雨量が多くなる傾向がみられます。

【7月の降水量予想】6/20発表の3か月予報より:ウェザーマップ作画
【7月の降水量予想】6/20発表の3か月予報より:ウェザーマップ作画

 そして、最も雨雲が発達しやすい場所が梅雨前線の南約300キロです。高温多湿な空気が集中し、雨雲を極限まで発達させます。この場所はこれまでにも線状降水帯が多く発生しました。予想が難しい大雨だからこそ、日頃の準備が大切です。梅雨後半の大雨に備えてください。

【参考資料】

気象庁:エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴

気象庁:3か月予報(7月~9月)、2023年6月20日発表

気象庁:1か月予報(6/24~7/23)、2023年6月22日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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