ノルウェー高校生、Snapchatは今も人気「Facebookは死んでいる」
ノルウェー・首都オスロの商業高校2年生の英語の授業を訪問した。普段はどのようなSNSを使用しているか、高校生たちは英語で議論をしている真っ最中だった。
「フェイスブックはもう死んでいるよ」とつぶやいたのは、男子高校生のアクセルさん(17)。
「アカウントはあるけれど、よほど重要なことがない限りは投稿はしない。インスタグラムのほうが気軽に使えるね」。
しかし、彼はインスタグラムの通常のフィード投稿はするが、短時間で消えるストーリー機能は利用していないという。
「インスタグラムのストーリーは女子っぽい感じがする。女子高生たちはストーリーをよく使っているよ」。
私は取材がメインの仕事柄、情報が舞い込み、人とつながるフェイスブックには大変お世話になっている。高校生の言葉に「死んでいる!?」と驚いてしまった。
スマホでアプリを3個しか使えないとすると?
14人の高校生たちは、「スマホでアプリを3個しか使えないとすると、どれを選ぶ?」というアンケートに答える。
「若者はスナップチャットから離れてきている」とは、ノルウェーでもよく言われている。
クラスにいた高校生たちは、それでもスナップチャットを一番使用していると答えた。
結果
- Snapchat 11人
- Facebook 10人
- Instagram 6人
- Spotify 5人
- YouTube 4人
- TV2(ノルウェーの民間テレビ) 2人
- VG(ノルウェーのタブロイド・ニュースサイト) 1人
- Facebook Messenger 1人
フェイスブックは終わりかけているとは思うが、メール交換などに便利なので、アカウントは維持しているという人が多かった。
「LINEって何?」
この授業には、広島・長崎からの高校生平和大使3名も参加していた。
日本で人気のアプリ「LINE」を知っているノルウェー人はおらず、「LINEってなに?」、「このスタンプにはどういう意味があるの?」と不思議そうだった。
国際ニュースはBBCやCNN、英語でチェック
先生は、生徒たちに、「緊急の国際ニュースが入ってきたら、どのメディアをまずはチェックしますか?」と聞く。
BBCやCNNを選んだ高校生は意外と多く、さすが英語が得意なノルウェー人だなと思った。
SNSで起きる問題点
ノルウェーでは、若者に影響力のあるインフルエンサーが、お金儲けのために整形手術のクーポン券をSNSで配布していたり、外見重視の価値観を若者に押し付けているとして、日本よりも厳しい批判を受けている。
Photoshopやアプリで自分の顔を編集する人がいる一方、その流れに、「うんざりだ」という若者の投稿が、新聞などで掲載されることも多い。
彼氏に裸の写真などを送信した結果、ほかの人たちに拡散されるなどの行為も問題となっている。
「子どもと若者のメディア使用」調査によると、9~15歳は毎日平均2時間インターネットを使用。
16歳の少女のうち10人中4人は、ネットでセクハラのコメントを受け取ったという。
30%以上の中高生が、毎日4時間以上をネットで過ごす。
2017年の調査では、13~18歳の若者の13%が、「裸の写真を送信したことがある」と答えた。
若者のスマホやパソコンでのネット使用を、学校がどれほど規制するかは対応が分かれており、今でも議論は続いている。
Text: Asaki Abumi