新社会人は1年間の社会生活でどれだけ貯金し、実家へ仕送りしたのだろうか
ゼロ円は1割前後な最初の1年での貯蓄額
多くは初めての就業対価として初任給を受け取る事になる新社会人。生活のやりくりで精いっぱいだが、一方で将来に備えて貯蓄をしたり、あるいはこれまでの感謝の意を込めて実家に仕送りをする事例もあるだろう。その実情をソニー生命保険が2015年4月に発表した新社会人に対する意識調査結果「社会人1年目と2年目の意識調査2015」から探る。
次に示すのは現在社会人2年目、つまり新社会人としての1年目を過ごした人(20代・500人、男女比は1対1)に、実際に貯蓄した額を尋ねた結果である。
平均金額は男性46万5975円、女性45万8827万円。年間の差異は1万円足らず。一般的には給与水準は男性の方が上であることを考えれば、むしろ女性の方が貯蓄性向は高いと見ても良いかもしれない。
金額区分を見ると、10万円までの層と50万円超~100万円の層で女性の方が回答率が高く、それ以外では男性の方が高い。中堅層の回答率は特に男性陣が高く、また100万円超も男性の方が大きな値を示しており、男女の差異が開きそうだが、50万円超~100万円の層の男女差異が6.4%ポイントもあり、これが男女の平均額にあまり差が出ない結果をもたらしたようだ。
貯蓄ゼロの回答は男性で9.6%、女性で12.0%ほど確認できる。生活環境の上で仕方なく、あるいは会社側の積み立てに吸い取られている可能性もあるが、厳しい生活事情がうかがえる。
ゼロが3割強…実家への仕送り額は!?
一方、これまで育ててもらった感謝の意を込めて、実家の保護者へ仕送りをする事例もある。その金額を尋ねた結果が次のグラフ。
平均額は男性16万4597円、女性17万3213円。平均額では男性よりも女性の方が年間で約1万円ほど高額との結果が出ている。額面区分では男女差の有意な傾向は見られないが、ゼロ回答こそ女性の方が多いものの、100万円超と30万円超~40万円の層で大きく女性が男性を引き離した回答率を示しており、これが女性の平均額を底上げしたようだ。
男女とも平均すると、大体1か月あたり1万円強。初任給で色々と引かれて生活費などを勘案すると、決して少ない額ではない。あるいは初任給以外はボーナスなどまとまった額が手に入った時に、そこから一定額を実家に仕送りしたのだろうか。
無論実家からすれば、気持ちだけでも十分嬉しいに違いない。新社会人側もそれを十分理解しているはず。その上で、3割強がゼロとの実態は、新社会人の金銭面での厳しさを表しているともいえる。もちろんお金そのものでは無く、良くある「初任給で親にプレゼント」のパターンに代表されるように、何らかの贈り物をしていることも十分あるだろうが……。
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