社員をフリーランス化!?タニタ流働き方革命【谷田千里×倉重公太朗】その3(全3回)
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人生100年時代に突入し、終身雇用は幻想となりかけています。また、近年は一生懸命働くよりも、決められた時間だけ勤務することが重要視されてきてきます。そんな時代の変わり目に生きる我々は、日々どんなことを意識しなければならないのでしょうか。株式会社タニタの社長の谷田千里さんから、すべての働き手に対するメッセージをいただきました。
<ポイント>
・働き方改革によって、能力に格差が生まれる
・社員がフリーランス化しても機密は守られるのか?
・社会人が働きながら勉強すべきことは?
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■今の仕事は10年後にAIに奪われる
倉重:今は適用されているのは、社員の何%ぐらいですか。
谷田:1割を超えました。
社員からの移行で、24人います。
倉重:すごいですね。最終的にはどのぐらいにしたいのですか。
谷田:正直どれだけ増えても2割程度なのかなとは思っていますが、全員でも構いません。
全員移行する形だと、会計コンサルティングファームや経営コンサルティングファームと一緒で、雇用は最初の5年間で、その後は卒業という形で業務委託契約になるのではないかと思います。
全員最初からこの仕組みを利用するのではなくて、雇用の状態である程度教え込んでからになるはずです。
倉重:法律事務所もコンサルもそうですね。
最初はアソシエイトで、そこからパートナーに昇格して、経営陣に入ります。
谷田:そうです。行けてそこまでが限度かなと。
倉重:そういう意味では、若いうちに独立すると、成長スピードを補足するメリットがあるように思われます。
久保さんは実際に仕組みを利用していて、いかがですか?
久保:私がもっと若い時にこの仕組みがあったら、もっと早く「個人の看板で何とかしなければいけない」ということに気づいていたかもしれません。
倉重:でも今は皆が久保さんの背中を見ているわけです。
久保さんを見て、「私もこうなりたい」と後に続く人も出てくると思います。
谷田:私がほかの人にぜひ言いたいのは「9時~17時の勤務で働いて構いませんよ。その代わり10年後、その定型的な仕事はAIがしますからね」ということです。
倉重:本当にそうなんです。
私の著書、『雇用改革のファンファーレ』という本にも書きましたが、この「働き方改革」というのはある意味残酷で、「定時で帰れ」ということばかり言います。
もちろんその後、自分で勉強する人はいますが、それこそ全体の2割ですよね。
一方で、17時で終わって飲みに行く人もいます。
両者は10年後にすごい差がついているはずです。
昔ならある程度会社が「やれ、やれ」と言って、真ん中ぐらいまで引き上げていたのに、働き方改革によって格差がついてしまうのではないかと思います。
谷田:格差がついたときに経営者が何をやるかというと、首切りです。
倉重:そうですよね。
今のフリーランス化するというのは、それに気づかせてあげるという話ではないですか。
谷田:なので、今のこの時点で「9時~17時でいいかな」と思っている人に、「切られちゃうよ」と申し上げておきたいのです。
本当に働きにくくてかわいそうだなと思います。
その考え方を入れ替えてあげておかないと、いざ首を切られてから経営者のところに行っても遅いのです。
「今から自分の人生プランを考えて勉強したり、働き方を考えたりしてくださいね」ということを、声を大にして言っておきたいです。
倉重:これはタニタさんだけの個人的な話ではなく、一般論としてまさにそうですよね。
中高年になって「使えない」と言われた時に初めて気づくのか、若い時に気づかせてあげるのか。
ある意味、厳しい現実を優しく教えてくれている仕組みだと思います。
終身雇用に安心しきって、途中でパッと放り出されたときに気づいているようではダメなのです。
田代:本当にそうです。
倉重:こういうふうな会社がどんどん増えてほしいなと思います。
あと、「優秀な人材は囲い込もうとすればするほど逃げる」というのは、本当にそのとおりだと思っています。
こういう関係性なら、「少しでもいいから残って」と言いやすいですよね。
0か100かの働き方ではなくて、「10ならコミットできます」という選択肢が生まれますから。
田代:私も今は週1ですから。
それで全然構いません。
その時にどれだけ価値を提供できるかという話なのです。
■全員働きながら勉強する時代
倉重:企業の人事は、常に異動がありますよね。でも田代先生は個人事業主として、1人だけもう何十年もそこの人事にいるわけです。ですからその会社のことなら何でも知っています。
田代:はっきり言って、人事の生き字引になっています。
どこのファイルに何が入っているかまで知っていますから。
倉重:「この改訂はなぜやったのか」ということも全部分かります。
そういうメリットがありますね。
だから、つながりが薄かったとしても、それはそれで意味があります。
こういう働き方はぜひ増えていってほしいと思います。
あらためて、これからの日本で働く人へのメッセージを頂きたいのですが。
谷田:全員に使えるかどうかは分かりませんが、この、人生100年時代です。
働きながら学んでいくという時代になっていますので、これまでのように「大学までが勉強する期間」ということではありません。
まずは「全員働きながら勉強しましょう」「自分の能力を高めましょう」というところが一つ。
とくに私が伝えたいのは、若手に関して。
今の流れだと、どうしても実力をつけられない流れになっているので、そこに注意していただきたいです。
「くれぐれも今の時期を無駄に過ごさないでくださいね」と声を大にして伝えたいと思っています。
また、最後になりますが、今回の対談に際し、弊社顧問弁護士の向井先生からメッセージを頂きました(対談末尾に掲載)。書籍の中でも触れていますが、「日本活性化プロジェクト」の仕組みをつくる上では、税理士・公認会計士の松成先生・松岡先生など、多くの専門家の方にサポートしていただきました。今後もプロのアドバイスを受けながら、より良い仕組みにしていきたいと考えています。
倉重:久保さんはいかがですか。
久保:同じ内容でかぶってしまいますが、もう「正社員だから安定している」ということはなくなってきています。
自分でお金を稼ぐ力をつけることが大事です。私はたまたまタニタにいて、こういう仕組みを利用していますが、どの会社にいても意識していたほうがいいと思います。
倉重:なるほど。ありがとうございます。
では最後になりますが、毎回聞いているので、お二人の夢をお聞きしたいと思います。
谷田:夢ですか。会社をもっと大きくして、よくある老害にならないように、きちんと次期経営者にバトンタッチする。
自分としては、一生懸命がんばっていれば、どこかの大学からMBAコースの講師としてお声がけいただけるのではないかと期待しています。
どこかで拾っていただければ、論文を書きますので(笑)。
最終的には大学教授でなれたらいいなと思っています。
夢といったら、そこが夢です。
倉重:なるほど。ありがとうございます。では久保さん。
久保:私はこの2~3年、こういう仕組みを利用し、いろいろな仕事にチャレンジする中で、「人の可能性を広げるのが一番楽しい」ということを感じています。
将来的に、どちらかというと人事系の仕事をしたいなとも思っているのです。
こういう働き方を選んで、苦労したところもあったので、一時の転職でなく長い目でキャリアをみて、サポートするような仕事ができたらいいなと思っています。
倉重:なるほど。ありがとうございます。では田代先生、まとめをお願いします。
田代:本のタイトルにも、「会社員とフリーランスのいいとこ取り」と書いてありますね。
これは新しい働き方として、私も実践してきたので、御社のような有名企業が一石を投じられたということはすごく意義があることだと思っています。
これをたたき台に、いろいろなところで話が広がって、良い雇用社会になればいいなと思っています。
■社内の機密情報は守られるのか?
倉重:それでは、1時間を過ぎてしまったので、あとは観覧者にご質問があれば、うかがいたいと思います。いかがでしょうか。
ご質問がある方、挙手をお願いします。では最初はAさん。
A:質問が二つあります。
皆がどんどんフリーランス化していく中で機密に対するご不安はありますか。
すでに何か対策を打たれているのでしょうか。
谷田:これは、経営者の方が誤解されています。
実はこの仕組みのほうが機密は守られています。それをきちんとご説明します。
会社には製造や営業などのいろいろなノウハウがあります。
私が全部知っているわけではないですし、社員だけが知っていることもあります。
「辞めました」と言うと、再就職するために「私はこのような知識があるぞ」っと、その人間は機密を漏らします。
これが、多くの経営者が心配されている状態です。
それに対して、業務委託契約というものは、その機密を持っていることが前提で業務をお願いしています。それを他者が知っているなら、別に人間に業務をお願いしても良いわけですから、私はその人と業務委託契約をしません。
ですので、業務委託契約に移った段階で、「この機密は自分のものだ」と思ってくれるのです。
A:より当事者意識を持つようになるということですか。
谷田:当事者意識を持つので、業務委託のほうが機密は漏えいしません。
逆に、「機密をその人が抱えこんでしまうのではないか」という心配もあると思います。
業務委託契約をしているので、この人の知識やスキルを誰かに伝授してもらいたいと思ったら、契約内容を変えればいいのです。
「翌年はあなたのそのノウハウをこの人に教えてください」という業務委託契約をするとします。
言われた相手はきっと驚いて、「じゃあ、再来年はこの知識を理由に業務委託されないな、これはヤバいな。どうしよう」と思うはずです。
そうすると、その知識を成長させ、自分で新しいノウハウを生み出します。
会社でノウハウを生み出すことも含めても、この仕組みのほうが機密は保たれているのです。
A:二つ目の質問は、これだけブランド力があって、働き方の本も出されていますが、人材募集に応募して来られる方々の層が変わったかのでしょうか。御社が「フリーランスを認める」ということで、採用選考基準は変わったのでしょうか。
谷田:来年からは、この本の内容に賛同する人しか雇うつもりはありません。
それで何が起こるかというと、今社内で言っているのは「相当な切れ者が来るよ」ということです。
3カ月ぐらいで、「なぜ、こんなばかな上司の下で働かないといけないのですか?」と言われるかもしれません。
だから「皆、勉強しようね」と言っていますし、私も勉強しています。
倉重:こちらもレベルアップしなければいけませんね。
社長は何の勉強をしたのですか?
谷田:昨年、弊社が設立75周年を迎えたので社史を作りました。
「タニタにはどうしてこういう“イズム”があるのか」ということを補足しなければいけないと思い、この点にこだわりました。
■自信のない人にどうやって仕組みを利用してもらうか?
倉重:では北海道からお越しのBさん。
B:話を聞いていて思ったのですが、フリーランスの仕組みに賛同する人は自信がある人だと思います。その自信は相対的なようでいて、自分の中で醸成されるものだと思います。そういう意味では、こちらからフリーランス化を提案しても乗らない人は出て来ると思います。
そういう人に対してどう伝えていったらいいのでしょうか。
何かを伝える工夫などをしていらっしゃいますか?
谷田:今日のこの対談もそうです。この本を読んで「やっと分かった」という社員もいます。
やはり手を変え、品を変え伝えていく必要があるのかなと思っています。
ずっと一貫して、「別に悪いことをしているのではない」と言っているので、それがどこかで社員に伝われば、意識が変わってくるのではないかと思います。
倉重:実際、久保さんは悩んでいる人から相談を受けたりしたことはありますか。
久保:あります。でも私自身まだまだこれからのところなので、「こんな自分でもチャレンジできるよ」というところを背中で見せていくしかないと思っています。
倉重:なるほど。ありがとうございます。
では福岡からお越しのCさん。
C:ありがとうございます。労働法のことはよく分からないのですが、この本を読んで、ただ純粋に「この会社はいいな」と思いました。
まず1個久保さんに聞きたいことがあります。
フリーランスになったからこそ見える会社員の良さは何ですか。
「正社員でいることには、こういうメリットがあったんだな」と、フリーランスになって、気づかれたことはあるのかなと。
久保:タニタ共栄会をはじめとして、しっかりしたバックアップがあるので、それほど正社員との差は感じません。
ただ、逆に労働時間の決まりがないので、働き過ぎるというところはあります。
仕事とプライベートの境目が曖昧になるので、「早く帰れ」と言ってくれる上司がいたころが良かったなと思うことはあります。
C:時間が関係なくはなったけれども、今のほうが充実した感じはありますか。
久保:そうですね。圧倒的に充実しています。
■今の仕事に120%の力で向き合っているか
C:ありがとうございます。社長に聞きたいのは、先ほど、「働きながら勉強したほうがいいよ」ということをおっしゃっていただきました。
社長が思う「これは勉強しておいたほうがいいよ、若手」という具体的なものはありますか。勉強と働くことは両立しないといけませんが、やり方を間違えると意味がないと思います。何か指針のようなものがあれば、お教え願いたいです。
谷田:そうですね。頭でっかちになってはいけないとは思います
経営者はディシジョンメイク、判断するのが仕事です。
悪い言い方をすると、「はんこを押すだけ」になりがちです。
ではいきなりその段階に入れるのかというと、難しいと思います。
昔の戦国時代なら、お殿様の言うことは絶対なので、白を「黒だ」と言っても誰も反論できません。ですが、世の中は変わってきています。
いきなり社長のポジションに座った人が「今回のこのプロジェクトはやめなさい」と言って、皆が納得するでしょうか? 私はしないと思っています。
人間も段階的にやるべきことがあります。
一緒に汗を流しながら働いて、現場のことも知っている人がだんだんと上がって来ているので、社長になったときにはんこを押すだけであっても、皆ついてきてくれるのではないかと思っています。
先ほどの勉強の話に戻りますが、頭でっかちになるのではなくて、経営者でも一歩一歩上がって行かなければならないと考えています。
例えば、私がコンサルタントになった時、最初に先輩から怒られたのは、「コピーを取って来い」と言われコピーを渡したときでした。
その時は深く考えず、ぱっとコピーして、斜めになったり、曲がったりしたことにも気づかず、そのままホッチキスで止めました。
そうしたら先輩から「お前、たかがコピーと思って、適当にやっただろう」と延々と怒られました。
「仕事とはそういうものではない。今回『コピーを取って来い』と言ったのは何のためかというと、お客さんに配る資料をつくるため。このホチキスの留め方は何だ。開くときに破れるじゃないか。そういうところに気が配るということが、コピーというタスクにあった。お前は何も分かっていない」と言われて、まさに目から鱗が落ちる思いでした。その時は、「その通りでございます」と謝罪しました。
勉強するのは、今、目の前のこと、すべて勉強です。
どんな仕事だったとしても、「くそみたいにつまらない」と思うのは、お門違いだということです。
今の仕事に120%の力で向き合ってください。
「くだらない」と思うことにも意味があるので、そこを勉強していけば間違わないと思います。
難解な本を読む必要はありません。
今いただいている仕事について真剣に考えていけば必ず実力がつきます。
行き詰まった時に初めて、本を読んでください。
「そういうふうに勉強してください」というのがアドバイスです。
■「筋肉増強理論」でメンタルも強くなる
倉重:働く意味を考えるということは、前回、山口周さんと対談した時も出てきた話です。この仕事はどういう意味があって、そのストーリーの中で自分がどんな役割を担っているか。それを意識するかどうかでクオリティーも変わってきます。
ましてや20代の時にそういうことまで思いを至らせられれば、なおさらだということですね。
谷田:若い人は「俺はこんなことはできる」とすぐに華々しいものをやりたがります。
それがすべてではないのだということが伝わればいいかと思います。
倉重:こういった働き方というのは、今ちょうどギグワークといって、今年の日経の正月特集でもありましたが、世界的にも増えてきています。
まさにインターネットのテクノロジーが人々のスキルを結びつけるという事例です。ウーバーなどは典型例ですが。そういったものがどんどんホワイトカラーにも影響してきて、労働が質的にも変容していく時代だと思っています。
労働者が労働者でなくなり、雇用契約ではなくなっていく。これはもう世界的傾向です。
そういうときに、会社はどうあるべきなのか。
われわれからすれば「法律はどうあるべきか」ということは日々弁護士会で検討しています。その中で「雇用社会はどうあるべきか」という課題が、今日の対談につながったのではないかと思います。
谷田:もう1つ、エレメントを言っていいですか。
弊社の個人事業主の人間が、筋肉増強理論というものを実践しています。
100キロ超えのバーベルを持ち上げて鍛えているのです。筋肉は自分の筋肉組織がダメージを受けて、復活するときに大きくなります。
私は精神も一緒だと思っているのです。
倉重:負荷をかけろということですね。こういうことを言うとすぐに「ブラックだ」と言われる世の中なのですが、未知の時代において世界と戦っていくにあたり、そんな悠長なことは言っていられるのだろうかと思います。知らず知らずのうちに、ゆるい仕事の仕方を覚えてしまい、それで結果的に損をするのは誰なのだろうと。もちろん、自分でやる人は勝手にやります。その意味で、働き方改革は、ある意味残酷な仕組みです。
谷田:はい。昔は新入社員が「自分はここまでしかできません」と言ったら、上司が「お前はここまでできる」とハッパをかけたものです。
頑張っていたら、「お前の資料は良かったぞ」とほめて、先輩が食事に連れて行くなど、いろいろ面倒を見ていたわけです。
筋肉と同じように、精神も自分のキャパシティーをオーバーしなかったら伸びません。
私が今言った、筋肉増強理論に反対される方はいらっしゃいますか?
もちろん、メンタル不調の方に無理して働けと言っているのではありません。純粋に成長の話をしています。
「私は9時~17時の仕事で実力を伸ばしました」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお会いしたいですし、お話しをお聞ききしたいです。
私はそのロールモデルを探しているのです。残念ながら、今まで会ったことがありません。
倉重:優秀な人は誰しも「すごく頑張った」という時期がありますよね。
谷田:それを今否定されています。
頑張った時期なしに伸びる人がいるのだとしたら、どのようにしたら実力が伸びるのかを聞いてみたいですね。
倉重:ここで対談されている方は、楽しく働いている方なので。
そういう方はだいたい、めちゃくちゃ働いています。
働くとは思っておらず、むしろ楽しんでいます。
本気だからこそ、家に帰ってカレーを煮込みながら、日本型雇用のことを考えたりしています。
谷田:そうなのです。私が申し上げたかったのは、精神理論も一緒だということ。
今は負荷を避けています。
負荷から逃げて伸びるケースがあるなら、逆に教えてほしいです。
そういうものがあるなら、9時~17時の働き方にも賛同できます。
倉重:世界中を見てもそんな例があるのでしょうか。異論、反論、大歓迎ですので、ぜひ教えてください。
今日は本当にありがとうございました。
【向井蘭弁護士のコメント】
当初、日本活性化プロジェクト(従業員の個人事業主化)の内容を伺った際、私は正直言って戸惑いました。法的リスクもそうですが、現在の従業員、世の中等からの反発の声が容易に予想されたためです。
弁護士という職業柄、どうしても「規制」「リスク」等を優先に考えてしまいます。結果として法律を守ることが目的化してしまうこともあります。
しかし、人間は法律を守るために生きているわけではありません。人生100年時代、働き方は様々であるべきで、労働基準法等に縛られない働き方も個人の選択肢としてあるべきです。
私は谷田社長の真摯な思いに賛同しております。働くことと労働法との関係を考えるためにも、読者の皆様にも、谷田社長と倉重弁護士との対談をご一読いただければと思います。
(おわり)