秋華賞、単勝3倍を切ったスターズオンアース三冠なるか!? 呪いの影響か、当日オッズ下落中の実力馬は?
今年も三冠牝馬誕生なるか!? スターズオンアース
16日、第27回秋華賞が行われる。フルゲート16頭の出走。今年も昨年に続き、京都競馬場が改修工事中のために阪神競馬場で行われる。コースは芝2000mだ。
今年は桜花賞、オークスを制したスターズオンアース(美浦・高柳瑞樹厩舎)が出走し、三冠達成への期待がかかる。
しかし、前日のオッズを見ると、その数字は筆者にとっては意外なものだった。
まず、JRA発表の前日オッズを確認する。1番人気は前述の二冠馬・スターズオンアースが3.3倍、続く2番人気がオークス3着のナミュールで4.1倍、3番人気がオークス2着、紫苑S1着のスタニングローズで4.9倍、4番人気が前哨戦のローズSを勝ったアートハウスで6.3倍となっている。ここまでは単勝1桁台。
続く5番人気のライラックの16.2倍とプレサージュリフトの19.4倍までは単勝10倍台となっている。
このように人気は圧倒的に単勝一桁台の4頭に集約されている。確かに、消去法でこのメンバーから勝ち馬を推測すると、この4頭が残りやすい。
スターズオンアースは当日11時の段階でようやく2.9倍と3倍台を切った。オークス後に両前脚の剥離骨折が発見され、骨片の除去手術を行ったこともあり、この点を不安視している方もいるのだろう。しかし、この手術はあまり心配いらないと筆者は考える。筋肉の損傷と比べ、軽度の骨折はコンディションの悪影響がほぼ残らないからだ。術後管理もうまくいき、無事牝馬三冠最後のレースに間に合った。中間の調整に不安要素も感じられない。ここは、鞍上・ルメール騎手がきっちり三冠への道をエスコートしてくれるのではないだろうか。
■2022年桜花賞(GI) 優勝馬 スターズオンアース
■2022年オークス(GI) 優勝馬 スターズオンアース
パールコードは母の悲願を果たせるか⁉ 鞍上はライバルを知る男
その中で筆者が推したいのはアートハウス(栗東・中内田光正厩舎)。母のパールコードは秋華賞2着馬で、ここは母の雪辱を果たしたい一戦でもある。父は距離に融通がきくスクリーンヒーローだし、成長途上の春に比べてこの秋はレースでも安定感が出てきた。そして、スターズオンアースを桜花賞で勝たせた川田騎手が鞍上というのも頼もしい。ライバルとなるスターズオンアースの特徴をすでにつかんでいるからだ。
■2022年ローズS(GII) 優勝馬 アートハウス
■2016年秋華賞(GI) 優勝馬 ヴィブロス 2着 パールコード
4枠8番のナミュール 無事のスタートを
栗東・高野友和厩舎はナミュールとスタニングローズの2頭出し。
ナミュールは当日11時の段階で2番人気の4.3倍。筆者も大好きな馬ではあるが、桜花賞10着、オークス3着からのぶっつけ本番なので少々見込まれたな、という印象は否めない。確かにナミュールはこの中間の仕上がりもいい。外枠に泣かされた阪神JFや桜花賞とはちがい、秋華賞は4枠8番とちょうどいい枠だ。スタートを無事決められることを願う。
■2022年チューリップ賞(GII) 優勝馬 ナミュール
呪いを跳ね返せるか!? オッズ下落中のスタニングローズ
スタニングローズは前哨戦の紫苑Sでは前走比プラス14キロだったが、これは厩舎の見解通り成長分だ。中間の調教の動きもよく、しっかり出走体制が整った印象だ。あまり派手さがない故なのか、当日11時のオッズでは4番人気の6.5倍に落ちているが、それならば筆者は逆に購買意欲が増すくらいだ。秋華賞の出走メンバー中、最多の4勝をあげている底力を見せてもらおう。
※注目の粗品氏はこの秋華賞でスタニングローズを本命に推している。ここにきてのオッズ下落はその影響か…。
■粗品氏の2022年秋華賞予想
■2022年紫苑S(GIII) 優勝馬 スタニングローズ
単勝2桁台の注目はサウンドビバーチェとストーリア
桜花賞と同じ競馬場で距離が2ハロン延び、オークスからは2ハロン短縮された、各馬にとっては一定の経験下にある舞台だ。ひと波乱あっても不思議はない。
その筆頭にあげたいのはサウンドビバーチェ(栗東・高柳大輔厩舎)。前日オッズは40.1倍。当日11時では35.0倍に変わってはいるが、まだまだ人気になっていない。オークスは本馬場入場後に顔を蹴られてしまい、無念の競走除外となった。その後、無事に傷が癒えて秋は初戦の紫苑Sで逃げての2着だった。心配なのは他のレースとは雰囲気の異なるGIのレース直前で、オークスでの出来事がトラウマになってはいないか、ということだ。こればかりはGI当日になってみないとわからない。無事、力を出し切って欲しいと願う。
前日オッズ23.0倍のストーリア(栗東・杉山晴紀厩舎)は未勝利戦から2勝クラスまで3連勝中と勢いがある。鞍上は乗れている松山騎手。当日11時の段階で27.3倍に落ちており、それならばスタニングローズと同じく、逆に狙いを深めたいと筆者は感じた。