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なぜアメブロは清原和博容疑者のブログを消してしまうのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

【追記 2016/02/04/THU/13:31】サイバーエージェントの広報担当さんからコメントをいただいた。

「現在、ご質問のアメブロでのオフィシャルブログは、サイバーエージェント側のメディアポリシーと清原和博さん側の事務所との協議の結果、非表示とさせていただいております。サイトの仕様上、お探しのページを表示できませんという表示となっておりますが、今回については、異例の措置であり想定していなかった対応でもあります。なお、一般の方のブログについての適応は、あくまでもブログ上での表現について利用規約の範囲内でしかありません」

との解答をいただいた。

KNNポール神田です!

テレビをつけるとどのチャンネルも元・野球選手の清原和博容疑者ばかり報道されている。NHKのニュースウェブサイトでも、清原和博さんのブログを紹介している。

覚醒剤を所持していたとして逮捕された清原容疑者は、去年11月に立ち上げた公式ブログでほぼ毎日、日々の出来事や心境などをつづっていました。とりわけ、離婚して以来、なかなか会うことが出来ない息子たちへの思いや1人で過ごす日々の心境をたびたび吐露しています。

出典:清原容疑者 ブログに離婚後の寂しさ吐露

最近のNHKさんのニュース記事は、巷にあるネットニュースと変わらなくなっているようだ。

気になって、「清原和博 ブログ」で検索してみた。

http://bit.ly/23Ih26y

オフィシャルページのURLは、

http://ameblo.jp/kazuhiro-kiyohara/

清原和博のアメブロサイトは削除された様子
清原和博のアメブロサイトは削除された様子

しかし、そこにはもう存在していない…。

テレビでさんざんブログが、紹介されるのにその原典にあたることができない。

逮捕され、容疑がかけられたらブログは即日削除される?

覚せい剤所持の現行犯で逮捕されたから反社会的勢力であるという判断は、一般ユーザー向けの利用規約でも記載されている。

(3) 社会倫理や法令に反するもの

違法薬物、火器・けん銃など違法武器、爆発物の製造、売買春、児童ポルノの提供、公文書偽造、殺人、傷害、詐欺、窃盗等の犯罪その他の法令違反行為を推奨・肯定・勧誘もしくは助長する又はその恐れのある行為、表現・内容の送信等

http://helps.ameba.jp/rules/post_104.html

現行犯の逮捕であるが、罪はこれから確定するので、現段階では単なる容疑者であるのだ。容疑があるだけでブログが削除されてしまうのは問題ではないだろうか?

清原さんは、有名人だからこそ、国民の関心度も高い。メディアがこぞって、ブログの記事を引用すればするほど、その事実を知りたくなるものだ。そこが、反社会的な事件の当事者だから、サイトを完全に削除してしまうという判断はあまりにも早急ではなかっただろうか?もしも、これが冤罪で誰かが仕込んでいており無実だった場合はどうなるのだろうか?誰かをかばっての自白だった場合はどうなるだろう?

アメーバブログは、広告ビジネスモデルである

おそらくタレントが不祥事を興した場合、CMやスポンサーが広告を降りるというのはあり得るが、アメーバブログでも、そういう判断だったのだろうか?もちろんビジネスモデルは広告であり、実際に運営事業者と芸能人で広告料金をレベニューシェアされている。

昨年の記事では、清原容疑者は「月100万円荒稼ぎ」とも書かれている

このように有名人が事務所を通じて、広告媒体を運用している場合は、スポンサーの手前削除というのはありえるだろう。しかし、404エラーで、削除理由もなしというのはいかがなものだろうか?

せめて、「事件の関係当時者の該当ブログなので、現在非公開とさせていただいております」くらいのメッセージはほしい。

『ウェイバックマシン』という過去記事検索

ブログ記事を閲覧することができないと思えば思うほど、記事が気になる。そんな時に便利なのが、インターネット・アーカイブが提供している『ウェイバックマシン』という過去記事検索だ。

清原和博ブログをWayback machine で検索してみた!

https://archive.org/web/

URLの欄に削除されているURLをコピーするのだ。

https://web.archive.org/web/20160125222251/http://ameblo.jp/kazuhiro-kiyohara/

いくつかの記事はこちらでかろうじて読める。ブログというメディアが広告モデルによって運営されていると利用規約や契約によって、疑わしい時点ですべて削除というのはあまりにも早急すぎる気がしてならない。今回のような広告モデルのケースに限らず、アーティストやタレントが、ブログというメディアを通じてしか語れないことがあったとしてもすべてなかったものにされてしまうのは残念でしかたがない。反社会的な行為としてブログが全削除されるとするならば、痴漢の冤罪でも、商業ブログから全削除される可能性があるのは考えものだ…。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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