世界初「ドラゴンボール」テーマパーク、サウジアラビアで建設中のエンタメ都市へ オープン時期は未定
東映アニメーションは、世界初となる「ドラゴンボール」のテーマパークをサウジアラビア首都近郊の都市・キディヤに建設する計画を発表した。
東京ドーム10個分以上となる約50万平米以上の敷地(東京ディズニーランド以上)が7つのエリアに分けられ、「ドラゴンボール」の世界観を体験できる30を超えるさまざまなアトラクションが設けられる。そのなかには5つの画期的なシステムを導入するアトラクションもあるという。
テーマパーク内には、カメハウスなど物語に登場する象徴的な建物やオブジェが多数設けられ、シンボルとなるのは全長200メートル、高さ70メートルの神龍。内部には大型ジェットコースターが入る。
2021年から構想がスタートした本テーマパークだが、入場料やオープン時期など詳細は現時点では未定。建設はこれからになるようだが、随時最新情報が発表されていく。
東映アニメーション、サウジアラビア・QICと戦略的パートナーシップ締結
東映アニメーションは3月22日、サウジアラビアのギガプロジェクトのひとつとなる、首都リヤド郊外にエンターテインメント総合都市「キディヤ・シティ」を建設する「キディヤ」プロジェクトへの参画と、同都市への世界初となる「ドラゴンボール」テーマパークの建設を発表。サウジアラビアの公的投資基金の全額出資子会社となるQiddiya Investment Co.(QIC)との戦略的パートナーシップに合意した。
サウジアラビアのギガプロジェクトとは、観光、エンターテインメントの振興を目的としてインフラ投資を行い、経済成長とデジタルインフラの発展を目指す国家プロジェクト。
そのひとつとなる「キディヤ」プロジェクトでは、テーマパーク、アリーナ、アウトドア、モータースポーツなどの施設を備えた、エンターテインメント、スポーツ、文化の拠点となる都市・キディヤの開発、建設が進められている。
同プロジェクトへの参画により東映アニメーションは、QICが推進するエンターテイメント総合都市開発に協力するとともに、まずは「ドラゴンボール」テーマパークのオープンをきっかけに、日本アニメーション作品が持つ価値の最大化および中東への本格進出を目指す。
東映アニメーション・代表取締役社長の高木勝裕氏は「サウジアラビア政府が掲げてきた中長期ビジョンにおいて、同国でのアニメーション文化の開拓に協力してきたなか、先進的でチャレンジングなエンターテインメントのビジョンに感銘しました。サウジアラビアの子どもたちに夢と希望を与えることができるのをうれしく思っています」と語った。
サウジアラビアは、中東最大のアニメファンの存在を誇る国。QIC代表のAbdullah Aldawood氏によると「とくに日本アニメーションの人気は年々高まっており、サウジアラビア国民の80%以上がアニメ視聴経験があり、そのうち40%以上が『ドラゴンボール』視聴経験がある」という。
「キディヤ」プロジェクトには東映アニメーションのほか、過去には韓国のサムスンの参画も発表されているが、Abdullah氏は「世界レベルでパートナーシップ締結を進めており、最初の企業は来年キディヤに入ります。これからも多くのパートナーとのプロジェクトが続きます」。
さらに東映アニメーションとのパートナーシップについて「世界へエンターテインメントを届けたいというお互いの情熱とビジョンを共有しています。このパートナーシップが『キディヤ』プロジェクトの未来への道を切り開くと確信しています」と力強く語った。
日本の漫画・アニメを代表するコンテンツである『ドラゴンボール』が、テーマパークとして新たな歴史の扉を中東で開くことになる。その先のさらなる日本アニメーションの進出と、サウジアラビアだけでなく中東地域での人気の拡大および文化定着が期待される。