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激戦区ライト級で存在感を示す16戦全勝12KOのサウスポー

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 WBAライト級14位のフランク・マーティンがデビュー以来16連勝(12KO)を飾った。

 第10ラウンド、マーティンに滅多打ちにされ、前のめりに倒れたジャクソン・マリネスをレフェリーが救った。敗者は19勝(7KO)3敗となった。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 初回、2回と足を使いながら、得意の左を叩き込むタイミングを測っていたマーティン。とはいえ、身長で5センチ、リーチでも4センチのアドバンテージがあるマリネスのカウンターを何度か喰らった。

 「ノックアウト出来るかどうかよりも、自分の距離での戦いを重視した」と振り返った世界14位は、WBA/WBC/IBF統一ウエルター級チャンピオン、エロール・スペンス・ジュニアのジムメイトでもある。身近に生きた見本がいることで、刺激を受けながら成長している。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「俺は正確にパンチをヒット出来る。マリネスのフックが当たらないポジションを取りながら接近戦を試みた。懐に入って、こちらのフックを叩き込むことを考えていたよ」

 ペースを掴むや否や、獲物を仕留める爆発力がマーティンには備わっている。9回の終盤に左を浴びせてダウンを奪い、翌10ラウンドにフィニッシュ。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「9回に倒してから、試合運びを変えた。俺はより慎重になった。彼も俺と同じようにパンチがあるから、喰わないようにしたんだ。

 俺は飢えている。そろそろ、ライト級のトップ選手と戦いたい。いつでもいい。必ず勝ってみせる」

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ご承知のように現在のライト級は、ジャーボンテイ・"タンク"・デービス、ジョージ・カンポソス・ジュニア、デビン・ヘイニー、ローランド・ロメロ、イサック・クルス、ワシル・ロマチェンコ、ライアン・ガルシアと激戦区だ。

 そのトップ選手に、マーティンがいかに絡むか。135パウンドは、ますます熱くなってきた。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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