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ロシア製の神風ドローン「Privet-82」既に33機製造

佐藤仁学術研究員・著述家
ロシア企業が開発した神風ドローン「Privet-82」(OKO提供)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んで行き爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」でウクライナの軍事施設や民間施設を攻撃している。

ロシア軍ではロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」や「ZALA KYB」「ZALA Lancet」でも攻撃を行っている。だが2022年10月以降のロシア軍による攻撃ドローンはイラン製軍事ドローンを多く使用している。

そんななか、ロシア企業のOKOが開発した神風ドローン「Privet-82」が公開された。「Privet-82」も標的に向かって突っ込んでいき爆発する「神風ドローン」である。具体的な利用開始時期は明らかにされていないが、既に33機が製造されていると報じられている。

現在はまだイラン製軍事ドローンの在庫もあるようで、ウクライナへのイラン製軍事ドローンでの攻撃は続けている。ロシア軍がいつまでイラン製軍事ドローンに依拠できるか不明である。いずれイラン政府からの神風ドローンの供給が途絶えるかもしれない。

ロシア軍はイラン製軍事ドローンに依拠しなくとも、それ以前からロシアの軍事企業が神風ドローンの開発と生産は行っていた。神風ドローンは大型戦車などと違って開発と生産は難しくはない。必要な部品を調達できて、組み立てる工場さえあれば生産ができる。

▼ロシアのOKOが開発している神風ドローン「Privet-82」

ロシア企業が開発した神風ドローン「Privet-82」(OKO提供)
ロシア企業が開発した神風ドローン「Privet-82」(OKO提供)

ロシア企業が開発した神風ドローン「Privet-82」(OKO提供)
ロシア企業が開発した神風ドローン「Privet-82」(OKO提供)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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