【富士宮市】地域の安全と繁栄を願う『栄橋稲荷神社』 手水舎は富士山の伏流水がこんこんと湧き出ています
県道414号と大社通り宮町商店の交差する信号宮町西は、通称十字街と呼ばれています。
大社通り宮町商店街には十字街というバス停もあります。戦前はこの辺りを福住町といい、宮町から西町に渡る川に栄橋と言う橋が架かっていたそうです。
商店が並ぶ十字街の角に小さいながら存在感のある稲荷神社が祀られています。
通る度に気になっていた稲荷神社に、今日は歩いて出かけてみました。(駐車場はありません!)
大理石で作られたまだ新しさを感じる門には『栄橋稲荷神社』と刻まれていました。
門の前にはベンチがあり、足を休めていた方が「昔この辺りにあった栄橋の名から『栄橋稲荷神社』と名付けられた」のだと教えてくれました。
現在、福住町という地名は消え、栄橋のかかっていた川は、道路の下を流れています。
門をくぐると縦長の境内には、樹木が青々と茂っています。
春に通ったときには本殿横の桜の木が満開になっていたのを思い出しました。
鳥居をくぐって奥に進むと右側の手水舎の竜の口からはこんこんと清水が流れ出していました。
本殿の改修工事をした際、昔の手水の石を使い、新手水舎が設置されました。
この水は『栄橋湧水』と呼ばれているそうで、地下30メートルにある岩盤をくり貫いて出されている富士山の伏流水を利用した清浄な地下水なんだそう。
触れてみると、氷水のように冷たかったです。
『栄橋稲荷神社』の本殿は木造で『神徳惟洽』とありました。これは『洽惟徳信(ごういとくしん)』と左から読み、神様のいらっしゃる場所といった意味のようです。
神殿の前には『栄橋稲荷神社』の由緒が書かれていました。
看板によると、
とありました。
1814年は江戸時代です。
1601年に徳川家康が制定した五街道整備で街道は発展しましたが、車などがなかった時代、京都に赴くのも一大決心だったのではないでしょうか。
地域住民の安全を願う鍵屋さんの想いは、今も地域の方々によって大切に引き継がれ、『栄橋稲荷神社』はその心に答えるように旺然にこの地を見守っているようでした。
栄橋稲荷神社:富士宮市宮町10-7