雅子さまが1分間の粋な計らい 皇室おっかけおばちゃん明かす心通わせた瞬間
雅子さまをおいかけ続けて28年、白滝富美子さん(80歳)は普通の主婦でありながら、“皇室おっかけおばちゃん”として活動している。その貴重な写真の一枚一枚には、撮影した時のひとかたらならぬ苦労と、雅子さまと心を通わせたドラマが秘められていた。
〇くつろいだ表情の天皇ご一家
写真には、愛子さまが新幹線の車両の窓から外をご覧になっているシーンが映っていた。後ろで陛下と雅子さまが微笑まれ、ご家族の楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
「撮影したのは2003年8月でしたから、愛子さまはまだ1歳でしたね。天皇ご一家が那須のご静養から東京に戻られる際、同じ新幹線の切符を買い、近くの車両に乗り込みました。最初の頃は知りませんでしたが、何度も那須まで追っかけをしているうち、上野駅には割と長く停車する事実を知り、これならホームに降りて撮影して、また新幹線に戻って来れるのではと思ったんです」
そこで白滝さんは、上野駅で停車すると同時にホームに降りて、ご一家が乗車されている車両の前まで走って行き、カメラを向けた。
そんな大胆な白滝さんの行動を察したのは、雅子さまだった。
「雅子さまは私が撮影しやすいようにと、愛子さまを抱っこして窓に近づけてくださったんです。愛子さまの可愛い表情が撮れるようにしてくれて、あの時は感無量でした」
上野駅に停車した1分間(※現在の時刻表から算出)、無我夢中で窓越しに撮影した、白滝さん。発車する前に急いで飛び乗り、無事に東京駅まで戻ってくることができたという。
こうして撮影した、新幹線の中で寛ぐ天皇ご一家の写真は、白滝さん自慢の作品となった。
〇おっかけは体力勝負
また、白滝さんにとって一番思い出深いおっかけは、両陛下が結婚された翌年、那須で山登りされた時のことだ。白滝さんは前日から那須のホテルに宿泊し、準備万端整えていた。
しかし、登山道は予想以上にハードだった。岩だらけの山道は、見下ろすと崖が見えて背筋がぞっとした。ロープを伝って登る急な岩場もあり、白滝さんは大きなカメラを持っているため、なおのこときつかったという。
「やっとのことで追いついて、山の上の茶屋でお弁当を召し上がっている雅子さまの姿を遠くに見つけた時は、ホッとしました。これで山登りされた雅子さまの貴重な一枚が撮れると意気込みましたが…。撮影できたのは、後ろ姿だけでした」
と、白滝さんは当時を思い出して笑った。おっかけには体力も必要なのだ。
〇雅子さまをおっかけて、海を越えて外国へ
白滝さんのおっかけは、日本国内だけでなく、海外にも及んだ。2002年12月、両陛下がオーストラリア・ニュージーランドを親善訪問された時、白滝さんも飛行機に乗り込み、現地まで飛んだ。
「断然、海外の方が撮りやすかったですね。日本だと警備が厳しくて、なかなか良い場所を確保できないことも少なくありません。でもこの外遊では、警備はあるものの物々しい雰囲気ではなく、逆にのんびりしていて雅子さまの写真を撮り放題でしたから」
白滝さんが存分に写真を撮影できたというのは、シドニー市内にあるタロンガ動物園だった。両陛下の順路を先回りしてカメラをスタンバイしていると、雅子さまがこちらに向かって歩いて来られる。まさに正面から、ひたすらシャッターを押し続けることができたという。
そして両陛下が白滝さんの前を通り過ぎると、また走って前に回り込み、カメラを構えた。海外まで追っかけてきた白滝さんを見て、さすがに両陛下もその熱意に驚かれたことだろう。雅子さまのステキな笑顔を撮影したいという情熱は、国境も越えたのだ。
〇雅子さまおっかけ人生
白滝さんがおっかけを始めたのは、52歳の時。それから28年、思えば雅子さまを見つめながら、人生を生きてきた。
「雅子さまがお出ましになると聞くと、『がんばろう』と体の中から意欲が沸いてきます」と、白滝さんは目を輝かせた。
しかし、ここ一年余りの間はコロナ禍のため、マスク姿の雅子さましか目にしていない。
「マスクがなかったらもっと良かったのになぁと、おっかけ仲間たちと話しているのですが、それでも雅子さまはいつも微笑んでくださり、輝いていらっしゃいます。」
コロナが収束したら、雅子さまのどんな魅力的な笑顔に出会えるのか、白滝さんはその日を心待ちにしている。
続編記事「陛下と雅子さま『お元気ですね』 皇室おっかけおばちゃん、2年前のまさかの出来事」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20210323-00226443/