同じ年にCSと日本シリーズでMVPは皆無。今年はホセ・オスナと吉田正尚にチャンスあり
クライマックス・シリーズのMVPに続き、日本シリーズで優秀選手や敢闘選手に選ばれた選手は、これまでに何人かいる。例えば、昨年の杉本裕太郎(オリックス・バファローズ)がそうだ。日本シリーズでは、東京ヤクルト・スワローズの高橋奎二とドミンゴ・サンタナとともに、優秀選手に選出された。
けれども、同じ年にクライマックス・シリーズのMVPと日本シリーズのMVP(最高殊勲選手)をどちらも手にした選手はいない。
過去の受賞者は、以下のとおりだ。2007年のセ・リーグは、クライマックス・シリーズのMVPを制定していなかった。2020年のセ・リーグは、クライマックス・シリーズを開催していない。
今年の場合、クライマックス・シリーズに続き、日本シリーズでもMVPを受賞する可能性があるのは、ホセ・オスナ(東京ヤクルト)と吉田正尚(オリックス)の2人だ。
日本シリーズに入ってからも、オスナはよく打っている。第1戦は、1回裏に二塁打で2打点を挙げたのを皮切りに、ソロ本塁打、四球、シングル・ヒット。第2戦も、打点こそなかったものの、同じく3安打を記録した。最後の2打席はいずれも三振を喫したが、2試合で9打数6安打、1本塁打、3打点だ。
一方、吉田は6打数1安打。打点はなく、外野まで達した打球も皆無だ。ただ、11打席中、過半数の6打席で塁に出ている。第1戦は3四球と内野安打1本、第2戦はいずれも敬遠の2四球だ。
日本シリーズは、少なくともあと3試合が行われる。まだ、MVPを予想するのは早い。とはいえ、現時点において、オスナは、吉田だけでなく両チームのどの選手と比べても、MVPに最も近いと言っていいのではないだろうか。
オスナの6安打は誰よりも最も多く、打率.667は5打席以上の18人のなかで最も高い。3打点と出塁率.700は1位タイ。それぞれ、チームメイトの内山壮真と塩見泰隆と並んでいる。ホームランが2本以上の選手はおらず、オリックスはチーム全体で0本だ。