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【現役看護師が伝える】看護師の仕事って実際どうなの?病棟看護師編

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みなさんは看護師と聞いてどんなイメージがありますか?
「忙しそう」「優しい」「資格職ですごい」「高給取り」など……
みなさん色々なイメージがありますよね。

現在、潜在看護師が増えていたり、離職率が高いことが指摘されている職業で、やりがいはありますが、実際にとても大変な上に責任が重く精神的にきつい職業です。
しかし、看護師じゃない人からすれば、何がきつくて他の職業と違って何が大変なのかがわからないし、「資格取ったのにもったいない」と思う方が多いのではないでしょうか?

今看護師を目指している方も、情報収集している方も、実際どうなのかという記事はあまり見かけないと思いますが、理由は忙しくて書けない+裏側をあまり話してはいけない雰囲気があることが理由だと思います。

今回は一度看護師を離れてまた戻ってきて、色々な働き方をしてきた私が看護師の実際をお伝えしたいと思います。

看護師の働き方

看護師の働き方は多様で、資格職というだけあって様々な求人があります。
就職に困らないと思われがちですが、新卒の時に入職した職場や部署によって、経験できる技術や得られる知識が大きく違うので、その後の転職に大きく影響します。

では具体的にどのような働き方があるのか見てみましょう。

働き方一例

・病院看護師
・クリニック看護師
・訪問看護師
・施設看護師(老人ホームや保育園)
・企業看護師(治験を担当する看護師・企業保健室・電話相談など)
・養護教諭
・保健師
・献血センター
・派遣や単発(救護室やワクチン接種、電話相談、イベント付き添い、健診など)

ざっと上げただけでもこれだけありますが、今回は学校卒業して、一番最初に就職することが多い病院看護師の実際について見ていきたいと思います。

病院で働く看護師の実際

病院で働いている新卒の看護師は、病棟へ配属されることがほとんどです。
ここで「外科」「内科」「小児科」「産科」など分かれますが、そこから更に細かく「整形外科」「形成外科」「脳神経内科」「心臓内科」「呼吸器内科」など分かれていきます。

そのため、外科をやっていたから外科系がすべてわかるかと言うとそうではありません。
異動がない限り、専門分野しかわからないことがほとんどです。
家族や友達から「これってどうかな?」と聞かれてもわからないことも多々あるんです……。

患者さんによって病状も病気の種類も薬や体質も違う上に、医療は日々進歩しているので勉強し続けることが必須になります。
※もちろん、年数を重ねれば知識が積み重なって勉強量は減りますが、今度は上の立場になるので、新人教育や委員会の分野について勉強したり論文があったりします……。

看護師の1日

ここからは看護師の1日のスケジュールの実際をお伝えします。
※あくまで私の病棟看護師だったときの一例です。現在は働き方改革が進んでいるところも多い上、病院によってかなり差があるので、実際に行って確認してみてください。

日勤

7:30 出勤
処方箋を振り分けたり、カルテを見て指示や前日の様子を確認。
すぐに動けるように物品や薬や病気について調べておく。
8:30 始業・朝のミーティング
師長や主任、夜勤の看護師から全体に伝えておきたいことを共有。
8:45 申し送り
当日の受け持ち患者さん(6-7人)の前日の様子を夜勤者から聞きます。
9:00 環境整備
患者さんのベッド周りや自分が使う場所の清掃、片付け
10:00 清潔ケア(清拭やシャワー、入浴)、点滴、傷の処置など
点滴の時間や手術、先生が処置に来る時間から逆算して、優先順位をつけながら順番にもしくは同時進行でやっていきます。
12:00 申し送り
自分が休憩に行く間に代わりに看てくれる看護師に、どこを注意して看てほしいか、やっておいてほしいことなどを伝えます。
12:30 休憩(呼び出しや確認で呼ばれることも多々あるので、1時間取れないことも)
13:30 申し送り
自分が休憩中の患者さんの様子を聞きます。
13:45 午後の処置や点滴の準備、情報収集、処置があれば処置
先生が伝えずに指示を変えていたり、患者さんの状況が変わっている場合があるので、再度情報収集をして、準備と処置を並行します。
14:30 カンファレンス(忙しいときはないことも)
気になること、インシデント、検討したい患者さんのことについてなど話し合います。
15:00 処置や清潔ケア
午前中できなかった人や午後の時間の処置を行います。
16:30 最終ラウンド
夜勤者へ引き継ぐために環境整備や患者さんの様子を再度確認します。
16:45 夜勤者へ申し送り
17:30 看護記録を書く
業務と同時並行できているときもありますが、基本的に日中は患者さんや先生から呼ばれるので、全て終わってからやることがほとんどです。
20:00~21:00 仕事終了
※委員会や係、指導など残りの仕事がある場合は残ったり、家でやったり、休日にやったりします。

上記が私のいた病院での流れです。

ここに学校と同じように委員会や係が入り、論文や新人さんの課題を見たり、研修が勤務中にあったりします。そのため、休日も仕事をしていることが多いです。

何が大変なの?

スケジュールや業務内容を見て、忙しそうと思った方も他の企業と同じだと思った方も多いでしょう。
ここでは実際何が大変で離職に繋がるのか、お伝えしていきたいと思います。

1.人間関係

これはどの職場も悩む部分だと思いますが、看護師はまだまだ男の人が少ない傾向にあるので、女社会です。
そして、年功序列を重んじる傾向が強く、看護師歴が長い人の意見が優先されるので、仕事ができる・できない関係なく、看護師歴を見て対応をしていかなければなりません。
そのため、いかに長くいる看護師さんと仲良くなれるかが重要になってきます。

職場環境や仕事内容上、緊張感があったり心に余裕がないことが多いので、看護師さんの気が強く、きつく当たられたり返答が返って来なかったりは日常茶飯事です。
このような日常をいかに割り切って、上手く渡っていけるかが重要になるでしょう。

2.業務量・内容

業務内容は上記の表に書いた通りですが、その他細かいことを含めるともっとたくさんあります。(患者さんのご家族との面談や書類の整理や入退院手続き、事故報告書など)
そしてこの業務量は、年数を重ねるにつれて委員会や係が増えて、肩書きもつき、研究や論文をやらなければならなくなってきます。

日々の業務量は減るわけではないので、論文や研究、委員会や係の仕事は必然的に時間外になってきます。
新人の振り返りの会や委員会や係の集まりが休日に入ることも多いので、1日きちんと休めることが少ないのも事実です。

いかに効率よくできるかが鍵になりますが、年数を重ねれば重ねるだけ仕事の比重も重くなってきて責任も増してきます。また、患者さんから頼られることも多く、声をかけられたり悩みを相談されることも増えるため、他の業務に手が付けられないことも多いです。

3.患者さんからの意見や行動

業務をしていると歩いてはいけない人が勝手に歩いていたり、食事を摂ってはいけない人が食べていたりこちらが予想もしない事故が起こることも多いです。

私たちは最低でも1時間に1回は様子を見に行きますが、それまでの間に何かが起きていることも多く、医師の指示外のことを患者さんがすると、看護師は事故報告書を書かなければなりません。
すると報告書を書いてあげるのにまた業務が増えてしまいます。

また、担当していると「あなたじゃなくて〇〇さんがいい」と指定されたり、なぜ呼んだらすぐ来ないのか、なぜ宿題を子供にやらせておいてくれなかったのか、処置を無理矢理受けさせるなんてかわいそう、など私たち看護師の業務の範囲を超えていたり、どうにもならないことを怒る方も多くいます。

看護師はあくまで医師の指示で動きます。そのため、指示外のことはできませんし、処置もいくら本人が拒否していても医師が必要という場合にはやらなければなりません。
また、学校も併設している病院もありますが、業務内に宿題を付きっきりで看護師が教えられる訳ではありません。
このような小さな積み重ねが積もっていき、時間外労働へと繋がります。

もちろん、私も入院したときに看護師さんが声をかけてくれたり、話を聞いてくれて楽になったし、仕事なのでそれ自体はなんとも思いません。
しかし、入院中に自分専属の家政婦のように考えている方や親や家族の役割をすべて代わってくれる!と思っている方が多いのも事実です。

常にお互いが気持ちよく関われるように、社会生活を送っているときと同じようにお互いを尊重し合いながら過ごせるといいなと常々感じています。


看護師のイメージと実際

ここまで看護師の業務内容や大変な部分を書いてきましたが、みなさんのイメージと実際はいかがだったでしょうか?
想像通りでしたか?それとも全然違いましたか?

看護師の離職率は上記の大変な理由に加えて、患者さんの命を預かっていて、「自分のミス一つで患者さんやご家族に多大な影響を与えてしまう」という緊張状態が続いてしまい、気持ちが休まらないためです。
また、忙しくて家族との時間が全く取れずに離職する人が多いのも現状です。

看護師はどこでも働ける、高給取りというイメージがある方もいるかもしれませんが、看護師も経験してきた内容によっては全く採用されないですし、日勤だけだと初任給は18-20万程度、夜勤をしてようやく25万円程度です。(病院によって違います)

一般職よりは高いかもしれませんが、残業などに対してのお給料すべては出ない上に有休も使えない場合が多く、休日がないに等しいため、安く感じてしまうのも事実です。
この待遇面も離職率が高い要因だと思います。

ここまでデメリットが多くなりましたが、看護師という職業は、大変な反面、人の傷や命を救うことが出来るやりがいのある職業です。
もしもこの記事を読んでいて、看護師になりたい、もっと知りたいという方はぜひ現場の看護師さんに話を聞いてみてください。

また、今後別の働き方についても書いていくつもりなので、ぜひ読んでいただけるとより働き方のイメージができるかと思います。

少しでもこの記事が、看護師の業務などの実際を知る上で参考になれば幸いです。

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