日本一のキャプテン、箸本龍雅。明治大学で「ハードワーク」を宣言。【ラグビー旬な一問一答】
明治大学ラグビー部は故・北島忠治監督の打ち出した「前へ」を部是とする人気校のひとつで、1996年度以来の大学日本一を目指す。今季は高校ラグビー界の巨星が一気に入部し、話題を集めている。
就任5年目の丹羽政彦監督は、東日本大学セブンズ選手権大会、オール早慶明など、春先の大会や試合でそのルーキーを相次ぎ起用。「短い練習期間のなかでも頑張っていたし、フィジカル面でもやれているから」とその意図を語っていた。
なかでも注目された1人は箸本龍雅。昨季の全国高校ラグビー大会で優勝した東福岡高校、さらには今春の高校日本代表でキャプテンを務めたタレントだ。ポジションはロック(フォワード第2列に位置し、身体をぶつけ合う)を主戦場とするが、首脳陣からはフランカー(フォワード第3列、機動力が求められる)としても期待される。
16日のオール早慶明ではオール慶應義塾大学との試合にロックとして先発し、持ち味のコンタクトを披露。その後は共同取材に応じ、大学レベルでの手応えや課題、リーダーシップの要諦などを語った。
以下、一問一答(編集箇所あり)。
――この日の感想は。
「最初は緊張しましたが、最後は先輩たちの声もあって思い切りできた。(明治大学の)ジャージィを着るのはあこがれだった。着ることができたのは、次につながるいい経験でした」
――自身のパフォーマンスについて。
「まだフィットネス(持久力)に足りていない部分がある。まずはそこを修正して、公式戦メンバーに入れるよう、努力していきたい。(課題は)自分で見つけて改善しないと、いけないと思います」
――大学では、スクラムの押しが変わりそう。日本の高校ラグビー界にある「1.5メートルルール」(安全性担保のため、1.5メートル以上を押すことはできない)がなくなります。
「全然、違います。高校の時は体重をかけているだけでよかったのですが、大学ではしっかりとプッシュしないと押されてしまう…」
――改めて、高校時代。他の選手より明らかに落ち着いていたような。
「僕がかっとなりすぎたらチームがまとまらなくなるので、とりあえず冷静にいよう、という感じでいました。意識はしていないですけど、それが染みついていた。(キャプテンをやって)よかったです。人前に立って何かを言う経験はそれまでなかったので、そこでの言葉遣いなどを意識できるようになりました」
目指す選手像を聞かれ、「ポジションはわからないですが、ハードワークできる運動量の多い選手になりたい」と即答。身長188センチ、体重110キロの堂々たるファイターが、新しいステージに挑む。