接触確認アプリ『COCOA』の接触率が低い理由は…接触確認が2週間前から2日前に変更されていたから?
KNNポール神田です。
■ダウンロード数からみるCOCOA接触確率は0.027%
厚生労働省は、接触確認アプリ『COCOA』のダウンロード数は2,285万件、PCR陽性登録件数は6,385件と報告した。
単純なCOCOAダウンロード数における接触確率は0.027% となる。
■『接触確認アプリCOCOA』の接触確率が低い理由は?14日間から2日間への変更?
2020年12月15日(火)に COCOAのプライバシーポリシーが改定された。
改訂項目は、潜伏期間とされる過去14日間を遡っての接触の可能性を通知する設計が、保健所が行う『積極的疫学調査との整合性を図る視点』から陽性となった利用者が発症日または(PCR)検査日の約2日前以降(感染可能期間内)に接触した利用者に通知するように変えられた。
■『積極的疫学調査との整合性を図る視点』で接触確認期間は2週間前から検査日のたったの2日前へ変更されていた…
改定項目は14日間をさかのぼって接触の可能性のある利用者に通知をする仕組みとなっていたところが約2日前へと変更された。つまり、12日前の接触は通知されないということだ。
筆者はIT専門のジャーナリストであり、疫学的なことに対してコメントする立場ではない。
しかし、2度目の『非常事態宣言』が発令されようとしている今、最初の『非常事態宣言』ほどの緊張感が出るとは思えない…。
しかし、接触確認アプリ『COCOA』が、接触確認を警鐘してくれることによって、自分の2週間以内の行動のどこかで感染?という可能性で、自粛を意図的にコントロールできた可能性を秘めていたはずだ。疫学的ではなくこれはアプリによる『メディアコントロール』であり『アナウンス効果』が行動を抑制することができる。良くも悪くも、2日間だけの接触としたことで、行動を国民が自ら抑制できる機会を自らアプリが放棄してしまったように思える。
■『HER-SYS』から知らされる8桁の『処理番号』が適切に運用されているかの疑問
新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)
感染確認アプリ『COCOA』はPCR陽性者となった人がHER-SYSに登録された際に、スマートフォンなどの電話番号に送られたきたSMSの8桁の『処理番号』を自ら、『COCOA』に登録することによって、はじめて『感染者登録』できることとなる。
筆者の接触はないが知人がPCR陽性者となった人に数人確認したところ、『感染のショックでそれどころではかった』『保健所からの連絡がなかった』などのコメントが得られた。
2285万件もダウンロードされながら、プライバシーも守られた上での運用が適切になされているのかという点で疑問に思うし、もしも自分と接触した人が2日間前に限定されると、陽性者のプライバシーはかなり限定されてしまうことも懸念される。2週間前であれば感染経路の割り出しなどはかなり難しいが、感染の可能性が可視化できる行動の抑止力は圧倒的ではないだろうか?
感染確認アプリCOCOAの存在すら忘れてしまった国民も多いのではないだろうか?
ある日突然、アプリから接触確認を宣告されても、どう振る舞ってよいのか考え込んでしまうだろう。症状がなければよけいにそうだ。
PCR検査に行き、万一陽性だったら…?と日常生活に変異が訪れるはずだ。
それでも『感染の可能性の有無』がわかることは十二分にメリットがあるだろう。
■接触確認アプリの接触率 0.027%から類推できること
累計ダウンロード数2,285万件と登録された感染者数6,385件との接触確率の0.027%は、上記のように未登録者がいると想定するとその低さが理解できる。
単純に比較はできないが、あくまでも、参考として日本の累計感染者数と比較してみた。
すると、現在(2021年1月6日)の、国内の累計感染者数25万3,491名に対する、日本の人口は1,265億人として計算すると、陽性者率は、0.20%であり、
現在の感染者数4万3,526名に対する比率は、0.034%となった。
累計感染者数は、COCOAの接触確率の7.4倍で、現在の感染者数で1.25倍となる。
■現在のCOVID感染データからGoogleの予測データまでいろんな可能性を知る権利
COCOAだけでなく、インターネット上でデータはすぐに確認できる、陽性者数の数字に一喜一憂するだけでなく、重傷者数の変化にも注意しておきたい。
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207
死亡者数は3,755名、現在の感染者数は4万3,526名 累積感謝数は25万3,491名となっている。
□東京都では、新規感染者は1,591名
累計感染者数は 6万6,343名だった。
■Googleの28日後のCOVID19感染予測(日本版)日本全国で陽性者が19.1万人レベルへ 死亡者は4,550名
※2021年1月4日〜1月31日の28日間
Googleでは今後28日間でどれだけ変化するのかをAIで予測する手法を日本でも開始した。
【東京都】死亡者数2,522名 陽性者数10万4,645名
【日本国内】死亡者数 4,550名 陽性者数 19万1,561名
1都3県の緊急事態宣言と事業者の営業時間の短縮などがどのような影響と効果を生むのはいまだ未知数だ。
疫学的、医学的アプローチに経済アプローチもあるが、ITやデジタルでの情報力を駆使してのアプローチもまだまだ残されている。
給付金ひとつにしてもマイナンバーを押しすすめるひとつの政策でもある。ただ、現在の運用ではなく、フィジカルなカードではなく、アプリ化などで対応すべく、企業が、一気にテレワークに舵をとったように、アプリ化し、給付を迅速にする必要があるだろう。
ITとコロナのアプローチもまだまだできることが残されている。