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キャベツ価格高騰が意味するもの~便利野菜キャベツの行方 #専門家のまとめ

松平尚也農業ジャーナリスト、龍谷大学兼任講師、AMネット代表理事。
(写真:アフロ)

 食卓でよく利用される便利野菜であるキャベツ価格が平年比で数倍に高騰している。野菜価格全般に加えて主食のコメ価格も高騰が続いており日本の食卓の基盤を揺るがしかねない状況である。その原因とは何だろうか?キャベツを入口にその背景を紹介する。

ココがポイント

物価高の象徴とも呼べるキャベツ(中略)スーパーでは1玉1090円(中略)4桁の大台を突破するスーパーも出てくる事態。
出典:FNNプライムオンライン 2025/1/10(金)

キャベツは平年の4倍近い価格(中略)他の野菜も軒並み高値(中略)市場関係者は、この状況が春まで続く可能性があると指摘。
出典:FNNプライムオンライン 2025/1/10(金)

キャベツ1玉1000円の大台突破も…とんかつ店店長「豚肉より高い」悲鳴

エキスパートの補足・見解

 農業関係者は、キャベツ価格高騰が、低温とキャベツ産地での少雨が原因と指摘している。雨が少なかったことで野菜の養分吸収に影響し、小玉のキャベツを増やしキャベツの品薄を招いたとされる。他にも昨秋の記録的な暑さも生育に影響を与えたという現場の声もある。

 産地では小玉のまま出荷せざるを得ない状況もあり、カット野菜など業務用向けの大玉キャベツが不足しているとも聞く。カット野菜事業者は、海外からの輸入を増やしており、中国からのキャベツ輸入が昨年11月に前年比で7割増加したとされる。キャベツは、指定野菜として一年を通した安定生産が目指されてきた。しかし近年の気候変動やコスト高によって生産環境が変化し、供給が不安定になってきたとも言える。少なくとも1月いっぱいは、キャベツの品薄が続き、価格が高止まりすることが指摘されている。

農業ジャーナリスト、龍谷大学兼任講師、AMネット代表理事。

農・食・地域の未来を視点に情報発信する農業ジャーナリスト。龍谷大学兼任講師。京都大学農学研究科に在籍し国内外の農業や食料について研究。農場「耕し歌ふぁーむ」では地域の風土に育まれてきた伝統野菜の宅配を行ってきた。ヤフーニュースでは、農業経験から農や食について語る。NPO法人AMネットではグローバルな農業問題や市民社会論について分析する。有料記事「農家ジャーナリストが耕す「持続可能な食と農」の未来」配信中。メディア出演歴「正義のミカタ」「めざましテレビ」等。記事等に関する連絡先:kurodaira1974@gmail.com(お急ぎの方は連絡先をご教示くだされば返信します)。

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