子どもを「なんで○○するの!」「なんで○○しないの!」と叱らなくてすむ方法
私たち大人は、子どもを叱るとき「なんで」という言葉をよく使います。例えば「なんで宿題やらないの」「なんで片づけないの」「なんでけんかするの」などのように。
そして、子どもが黙っていると「なんで黙ってるの!」と叱り、子どもが「だって○○なんだもん」と答えると「なんで言い訳するの!」と叱ります。
大人が子どもを「なんで」と問い詰めるとき、本当は理由を知りたいわけではありません。頭に血が上っていて普通に叱るだけでは物足りないのです。
そこで、「なんで」と問い詰めて自分にストレスを与えた子どもを窮地に追い込み、それで溜飲を下げてストレスを解消したい、という気持ちが無意識に働いているのです。
そんな自分の内面をメタ認知して気づいていることが大切です。気づいていれば自然にブレーキがかかります。気づいていないと、怒りに飲み込まれてキレてしまいます。
「なんで」は大人が自分に向けて発するべき
本当は、「なんで」は大人が自分に向けて発するべきものです。私が聞いたある例を紹介します。
食事中によく食べ物をこぼす子がいました。お母さんは「なんでこぼすの!」と叱っていましたが、なかなか直りませんでした。
それで、ある日「本当になんでこの子はこぼすのかな?」と冷静にじっくり観察してみたそうです。すると、食器の縁の形に問題があることと椅子が高すぎることが原因だとわかりました。
それを改善したらこぼさなくなったということです。最初からそうしていれば叱る必要はなかったわけです。
このように、「なんで」は大人が冷静に観察したり真剣に考えたりして初めてわかることが多いのです。そして、「なんで」がわかれば合理的な解決方法も工夫できるというものです。
これは1つの例ですが何事にも同じことがいえます。子どもにできないことがあるとき、「なんで」を感情的に子どもにぶつけるのではなく、それを大人自身への冷静な問いかけにしてほしいと思います。
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