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待望の日本デビューしたGFRIENDとは? 2年前の取材で感じた“パワー清純”の可能性

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
GFRIEND(写真:Splash/アフロ)

最近、もっとも勢いを感じるK-POPガールズグループがある。今年でデビュー4年目を迎えた、GFRIEND(ジーフレンド)だ。

4月30日にリリースされた6thミニアルバム『Time for the moon night』が大好評を博し、韓国で放映されているほとんどの音楽番組で1位を獲得した。

グランドスラム達成。ビジュアルも話題

韓国では音楽番組のランキングで1位を総ナメにすると「グランドスラム」と言うのだが、2018年に入って「グランドスラム」を達成したのはGFRIENDが初めてだという。

また、『Time for the moon night』は各種の音源サイトのランキングチャートでも1位を獲得。それも、楽曲の良さが口コミでじわじわと広がり、発売から17日にかけて1位に上り詰めるという珍しい躍進ぶりを見せた。この快挙に影響されて、彼女たちのビジュアル的な魅力も話題になっているほどだ。

(参考記事:【画像あり】こんなにキレイだったっけ!? K-POPグループ「GFRIEND」の最新グラビア公開!!)

当然、韓国メディアも驚きを隠せず、その快進撃をこぞって報じている。

「GFRIEND、激情・哀憐で新しい歴史を刻む」(『TENASIA』)、「帰ってきたGFRIEND…1位!1位!1位!」(『スポーツ・ワールド』)、「ころり、パワー清純、逆走行…。GFRIENDを知るためのキーワード」(『Xports』)などと、我先にと報道しているが、実はGFRIENDの成功をどこよりもいち早く予想していたのは、アメリカのビルボードだった。

アメリカでも絶賛された新たな楽曲

アルバムが発売された翌日、ビルボードのK-POPコラムコーナー「K-TOWN」には「GFRIEND特有の洗練かつ感受性の高いカラーは残しつつ、ガールズグループの新しい方向性を提示した」とのレビュー記事が掲載されたのだ。

ビルボードの絶賛が影響したのか、5月9日にはビルボードの「ワールドアルバムチャート」6位にランクされる快挙も成し遂げ、iTunesのK-POPアルバムチャートでは日本をはじめ、オーストラリア、ブラジル、カナダ、デンマーク、スペイン、フィンランド、オランダなど8ヵ国で1位を記録したGFRIEND。

まさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”と言っても過言ではないが、そんなGFRIENDがついに日本で本格的な活動をスタートさせた。5月23日、ベストアルバム『今日から私たちは ~GFRIEND 1st BEST~』で日本デビューを果たしたのである。

2年前から日本に関心あった“パワー清純”

実は、今から2年前の2016年にGFRIENDとインタビューを行ったことがある。清純な外見でパワフルなダンスを繰り出す“パワー清純”というコンセプトがヒットし、たった1年で人気アイドルの仲間入りをした頃だ。

まだ日本進出の具体的な計画はなく、日本メディアとのインタビューも滅多にないと言っていたメンバーたちは、自分の魅力や人気の理由、日本に対するイメージなどを正直に語ってくれた。

(参考記事:人気絶頂の美少女グループ“GFRIEND(=ヨジャチング)”が初めて語った“ニッポン”)

そのときにふと感じたのは、彼女たちがもしも日本に来れば“ポスト少女時代”になれるのでは、という可能性だった。

というのも、そもそもGFRIENDは少女時代の韓国デビュー曲『Into The New World』や『GEE』の頃とよく似ていたのだ。

それでいて“明るく活発な少女たち”というガールズグループ王道のコンセプトを踏襲しつつ、パワフルなダンスを炸裂させて“パワー清純”という独自のジャンルを構築したのだから興味深かった。

メインダンサーで韓国はもちろん、日本でもすでにファンを獲得していたシンビなどは、特に“パワー清純”いうキャッチコピーがピッタリだった。

セクシー路線に走らなかったブレない姿勢

また、所属事務所の取り組みや売り出し方にも好感を持った。GFRIENDを生み出し、彼女たちが所属するのはSOURCE MUSIC。いわゆる“K-POP3大事務所”ではない。

どちらかというと中堅プロダクションである。それでもGFRIENDは、中小芸能プロダクション所属のガールズグループにありがちな「売れるためにまずはセクシー路線に走る」ということをしなかった。

(参考記事:もはや度を超えたエロさ!! 韓国女性アイドルがますますセクシー路線に走っていくワケ)

むしろ媚びずに流されることもなく、“パワー清純”路線を頑なに突き進んできた。そのブレない姿勢は高く評価されるべきだろう。

日本では今、10〜20代の若者の間でTWICEが強い存在感を発揮しているが、GFRIENDはより幅広い世代にアピールできるのではないか。特に少女時代が好きだった世代にとっては、惹かれる要素が満載な気がしてならない。

今回は満を持した日本デビューということで、すでにさまざまなプロモーション活動を展開しているGFRIEND。

メンバー最年少でその名から“親指姫”と呼ばれるオムジは、日本の有名ファッション誌『Popteen』の専属モデルに抜擢され、3月29日に行われた『Popteen』主催の大規模フェスティバル「絆フェスティバル」のステージに出演した。

また、4月1日にはメンバー全員がSMAP出身の稲垣・香取・草なぎの新番組『7.2 新しい別の窓 #1』に初の生放送ゲストとして出演し、視聴者数170万人を突破するといった反響を呼んだ。

今年はTWICEに加えRed Velvet、BLACKPINKなど、多くのK-POPガールズグループが日本で活発に活動しているが、そんな中ではたしてGFRIENDは韓国でのような快進撃を繰り広げられるか。今後の日本活動から目が離せそうにない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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