東北道事故 宮城県北部は地吹雪の常襲地帯 地形の影響も
1月19日午前11時50分ごろ、宮城県大崎市の東北自動車道で、数十台の車が絡む事故がありました。当時、現場では強い西風が吹いていて、大崎市古川のアメダスでは、1月としては観測史上最大となる、27.8メートルの最大瞬間風速を観測していました。この強い風によって、雪で視界が遮られる「ホワイトアウト」が発生したとみられています。
強風と積雪による地吹雪か
上は、1月19日正午の実況天気図です。西高東低の強い冬型の気圧配置となり、北海道~東北地方にかけては、特に等圧線の間隔が狭くなっています。さらに、高気圧から低気圧側に、等圧線がやや膨らんだ形になっていますが、こうした気圧配置になると、宮城県では西風が強く吹く傾向にあります。
また、周辺では午前中、断続的に雪が降っていて、古川のアメダスの観測では、5~6センチほどの雪が新たに降り積もっていました。ヘリコプターの映像では、周囲の新雪が風によって巻き上げられている様子が確認できました。強風と積雪による地吹雪が起きていたものと推測されます。
地吹雪の常襲地帯
古川が位置する宮城県北部の「大崎平野」は、もともと西風が強くなりやすい地域です。理由は地形にあります。宮城県の西側には奥羽山脈の山々が連なっていますが、北部は周辺と比べると西側の山の標高が低くなっています。さらに谷の地形もあるため、そこが風の通り道になって、強い西風が吹くものとみられます。
さらに、道路の周辺には水田が広がっています。風を遮るものが少なく、そこに雪が積もってしまうと、地吹雪が起きやすくなるというわけです。
去年、運転免許の更新に行った際、教材としてもらった冊子には、今回事故が起きた付近は、交通事故注意地点として挙げられています。
今回のように、強い冬型の気圧配置になり、周囲に新雪があるような時には、この区間の走行は特に注意を要します。車間距離を十分とるなど、安全運転を心がけてください。