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『PayPay』1日2回、5,000円までなら、オフラインでも決済が可能に 2023年7月20日より

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:PayPay支払い画面 5,000円までの支払いが可能に

KNNポール神田です。

『PayPay』で、『通信』ができない状態でも支払いができる

『オフライン支払いモード』が2023年7月20日(木曜日)から開始となった。

これは使い方がかなり変わるイメージだ。

インターネットにつながっていなくても決済ができる機能(特許出願中)を搭載!

■PayPay株式会社は、キャッシュレス決済サービス「PayPay」に、通信障害時やインターネット回線が使用できないなど、スマホがオフラインの状況下においても、決済が可能となる機能(※1)を搭載します。本機能の提供により、通信障害時はもちろん、地下や多くの人が集まるイベント会場などの通信が不安定な状況でも(※2)、「PayPay残高」または「PayPayあと払い(※3)」で決済(決済金額や回数に上限あり)をすることができるようになります。

■なお、本機能は国内の主要コード決済サービスとしては業界初(※4)となり、複数の特許を出願中です。

1回の決済最大5,000円で1日2回まで、ユーザーの保有している「PayPay残高」を上限金額とするなど、決済金額および回数の上限設定(※5)があります。

※1 本機能を利用して決済した場合は、ユーザーのアプリは決済完了画面に切り替わらず、決済音も鳴りません。通信環境が安定した際に、プッシュ通知や決済履歴などで決済情報を確認できます。また、本機能は最新バージョンのアプリで順次公開しており、全てのユーザーへの配信に時間がかかる場合があります。

※2 通常の通信回線を介したコードの表示にかかる時間が3 秒を超えると、本機能を利用した決済が可能となります。

※3 2023年8月1日より「あと払い」の支払い方法の表記を「クレジット」に変更します。詳細はこちらからご確認ください。

※4 一般社団法人キャッシュレス推進協議会にデータ提供している主要な国内コード決済サービス事業者と比較、PayPay調べ(2023年7月20日時点)

https://about.paypay.ne.jp/pr/20230720/01/

月末になり、通信のギガが足りない時に限って、スーパーのレジなどで表示を待たされることが多かった。それでもPayPayの表示は、他と比較しても早いほうだったが、これからは、『オフライン支払いモード』ができるというのはとてもありがたい。

また、基本的にWiFiのあるところでしかスマホを使用しない属性の人にとっては、月額で電話回線を維持しているようなものなので、最低のデータ容量で、ほとんど問題がない。ただ、QRコード決済のような場面だけでは通信回線が必要だった。

それが、条件つきとはいえ、オフラインで支払いができるのは画期的だ。クレジットカードの発想と変わらなくなってきた。

■『オフライン支払いモード』での決済条件は?

出典:PayPay
出典:PayPay

https://paypay.ne.jp/help/c0398/

そして、この『オフライン支払いモード』は少し使い勝手が変わることを理解しておきたい。

『オフライン支払いモード』の注意点!

1.『PayPay!』の音は鳴らない

2.『決済完了画面』は表示されない

3.次回、通信に接続された時に結果が表示される。

4.決済金額は、PayPay残高を上限>1回5,000円まで>1日2回まで>24時間1万円まで、30日間5万円 10回まで。

ということで、いつも使っていると音が鳴らないと『あれ?』と感じてしまうが、それはユーザのデバイス側が『通信』につながっていないか、3秒以上の処理がかかっている時に発生する仕様だ。

むしろ、PayPay支払い時のキャンペーンの『当たり!や残念!』の表示が出るまでスマートフォンをポケットにしまえないことや、毎回サウンドを鳴らさないですむのならばむしろこの方が便利と思うせっかちな人もいることだろう。

混雑したイベント会場や、通信が断絶した震災など、非常時の時ほど役立ちそうな機能だ。ギガが足りなくて、通信に時間がかかっていても、そのままオフラインで決済。電話もかからないような『機内モード』で集中タイムの時でも決済ができるのは画期的かもしれない。

また、店舗側も、レジでスマートフォンで苦戦する人をスキャナーを持ったまま、待ち続ける必要がなくなるというメリットがある。

ただ、『ユーザー読み取り方式』の決済の方は、ユーザーが『通信』にいないことには機能させることが物理的にむずかしそうだ。

実際に震災などの地域エリアで同時に通信障害が発生した場合は、店舗側も通信に接続できないので、なんらかのオフラインでの決済データを1週間以内であれば蓄積できて補償対応ができるような『保険』に似たサービスがあっても良いだろう。

大規模災害で義援金を瞬時に送ることができたり、かつその場での店舗決済が自由におこなえるようなローカルなブロックチェーンを構築するなど非常時においてもこの『オフライン支払いモード』の機能拡張を今後も願いたい。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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