大谷翔平との契約問題にも影響か?放映権料未払いでバリースポーツがパドレス中継から完全撤退へ
【バリースポーツが放映権料未払いでパドレス中継から完全撤退】
AP通信など米主要メディアが現地時間5月30日に報じたところによると、MLBなどスポーツ中継を担当する19のバリースポーツ・ネットワークのオーナー企業であるダイアモンドスポーツが声明を発表し、ネットワークの1つであるバリースポーツ・サンディエゴに追加資金を用意することができず、パドレスへの放映権料が期限内に支払えなくなったことを明らかにした。
これによりバリースポーツ・サンディエゴは5月30日のマーリンズ戦を最後にパドレス中継から完全撤退し、MLBが5月31日の試合からバリースポーツに代わって中継及び放映権を引き継ぐことになった。
現時点では今後の中継方針について明らかになっていないが、米メディアによればMLBネットワークやストリーミング配信のMLB.TVを通じて中継される見通しのようだ。
バリースポーツはパドレス以外にもエンジェルスなど13チームの中継を担当しており、今後さらに影響が広がっていくことが懸念される。
【今年3月に破産申請していたダイアモンドスポーツ】
実は今回の事態は、総額86億7000万ドルの負債を抱えたダイアモンドスポーツが今年3月に破産申請をした時点で危惧されていたことだった。
当時ダイアモンドスポーツ側は、契約チームへの放映権料支払いに影響はないと説明していたが、MLBは最悪の事態を想定し、支払いが滞った場合には中継を引き継ぐ方針を明らかにしていた。
パドレスは2012年の時点でFOXスポーツと20年間の放映契約を結んでおり、2019年にFOXスポーツを所有していたウォルト・ディズニーからダイアモンドスポーツがネットワークを買収したことで、その契約も引き継がれていた。
ちなみにバリースポーツ・サンディエゴは、ダイアモンドスポーツが80%、パドレスが20%出資している合弁企業だった。他にもレッズ、ロイヤルズ、エンジェルス、マーリンズ、カージナルスが同様の形態をとっている。
【今シーズンのトレード市場にも影響がでる?】
現時点で放映権料未払いが他チームに拡散していくかどうかまでは定かではない。
ただ米メディアが報じたところにでは、5月31日に公聴会が開かれ、ガーディアンズ、ツインズ、レンジャーズ、ダイアモンドバックスの放映権料の減額が協議される予定で、すでに他ネットワークも厳しい状況に置かれていることは間違いないところだ。
前述したように、放映権料未払いが拡大したとしても、今シーズンに関してはMLBが引き継ぐことになるので、チームに与える影響は最小限に抑えられることになる。
しかしながら来シーズン以降に関してはかなり不透明な状況であり、どのチームにとっても主要収入源である放映権料の見通しが立たないということになれば、バリースポーツと契約するチームは、今シーズンのトレード市場を含め戦力補強に慎重になる可能性が出てきそうだ。
バリースポーツと契約するエンジェルスについても、状況次第では大谷翔平選手との契約問題にも影響を及ぼしかねない状況だ。