日本のTwitter利用時間は世界一? データから明らかに
7月15日(日本時間)、イーロン・マスク氏がTwitterの利用時間とみられるデータを投稿し、注目を集めています。これによると、世界の中でTwitterが最も多く使われている国は日本となっています。
日本の利用時間が1位に
イーロン・マスク氏が公開したデータは、2023年7月13日のTwitterの利用時間を秒単位で計測したとみられるもので、マスク氏は「前週と比べて3.5%伸びた」と説明しています。
背景として、Twitterの経営陣は利用時間の長さに何度か言及しており、これまで主要な指標だった「収益につながる日次のアクティブユーザー数(mDAU)」よりも重視している可能性が指摘されています。
また、Metaの新アプリ「Threads(スレッズ)」はユーザー数の急増が話題になったものの、1日のアクティブユーザー数や利用時間が7月11日と12日に「減少」したという報道を意識した可能性もあります。
このデータで面白いのは、国や地域ごとに集計された中で、日本の利用時間が最も長いという点です。
1日あたりの利用時間の合計は、日本が約686億秒となっており、日本より人口の多いEU(約637億秒)や米国(約564億秒)を上回っています。
個別の国として集計されている米国、日本、英国、カナダの4か国について、人口1人あたりの利用時間を計算してみたところ、米国は2.8分、英国は3.8分、カナダは2.4分であるのに対し、日本は9.0分となりました。
全世界の利用時間を世界人口で割ると0.7分であることから、これらの4か国は世界平均を大きく上回っていますが、特に日本が多いことが分かります。
人口に対するTwitterユーザーの比率は国や地域によって異なるため、日本ではTwitterのユーザー数が相対的に多いことが、利用時間の長さに影響している可能性があります。
それでは、ユーザー1人あたりの利用時間はどうでしょうか。最新のアクティブユーザー数は公開されていないため、シンガポールの調査会社Kepiosによる2023年4月時点での広告主向けデータに基づいて計算しました。
これによると、日本での1日の利用時間は22.1分となり、米国(14.4分)や英国(15.9分)よりも長いという結果になりました。
もう1つ読み取れるのは、Twitterの利用におけるモバイル比率です。全世界で比べると、利用時間の87.64%をモバイルが占めていることが分かります。
ここで集計されている国や地域の中では、日本が最もモバイル比率が高い国となっており、ほかに90%を超えているのはMENA(中東・北アフリカ地域)だけです。
日本の意外な存在感
なぜ日本でTwitterが人気なのかという点については、過去にさまざまな分析がされています。
世界的にはFacebookのほうがユーザー数が多いものの、日本ではハンドルネームや匿名のネット文化があり、実名制のFacebookとは相性が悪かったという声があります。
最近ではZ世代向けのSNSが次々と登場しているものの、実名を出さずに使えるTwitterは「大人」に見つかりにくく、若い世代でもインスタとTwitterを使い分けている印象があります。
あるいは、短歌やポケベルのように短文を送り合う文化との親和性や、少ない文字数でも情報を詰め込める日本語との相性の良さもありそうです。
2022年までTwitterが公開していた決算資料では、日本の広告売上は米国に次いで2番目とのことでしたが、利用時間で日本が米国を上回っているというのは意外であると同時に、さまざまな可能性を感じさせる数字といえそうです。