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京都駅ナカで見つけた、九月の京都らしい和菓子のお土産

decocookie和菓子研究家

いつのまにか蝉の声が消え、秋の虫が鳴いて、過ぎ去った季節に寂しさを覚える九月になりました。九月は、九日の重陽の節句をはじめ、中秋の名月(10日)、秋彼岸の中日である秋分の日(23日)と、季節感のある行事が続きます。

重陽の節句は五節句の一つ。もとは中国から日本に伝わった行事で、陰暦(現在は新暦)の九月九日に、陽数(一桁の奇数)である「九」が重なり、その陽数の中で最も大きい数字という事から「重陽」と呼ばれ、特にめでたい日とされました。

その際、邪気を払うと信じられていた菊を用いて「菊酒」などの行事を行ったため、菊の節句とも呼ばれています。

桜と共に日本の国花ということもあり、和菓子の菊は一年中見られますが、和菓子屋さんでもこの季節になると、慶事や弔辞、お供え菓子等とは異なり、季節感のある菊の和菓子が見られます。

今回ご紹介するのは、重陽の節句にぴったりの和菓子、京都の和菓子屋「かぎや政秋」さんのつくる落雁「野菊」です。

野菊は、紫の野菊と赤まんま、秋茜が描かれた紙に包まれています。

秋らしいデザインのかぎや政秋「野菊」の包み紙
秋らしいデザインのかぎや政秋「野菊」の包み紙

内箱は慎ましさを感じるデザイン。

慎ましさを感じる野菊の箱
慎ましさを感じる野菊の箱

箱を開けると、一転して華やかな菊のお菓子が現れます。こちらは15個入りですが、他に24個、35個入りがあるとのこと。

華やかな菊の和菓子 野菊
華やかな菊の和菓子 野菊

一輪、取り出してみました。黄色い上のつぶつぶは、着色したいら粉です。

アーモンドがたっぷり入った和菓子の野菊
アーモンドがたっぷり入った和菓子の野菊

落雁の表面に見える茶色の部分は、アーモンドの皮。もちろん皮だけでなく、細かくすり潰されたアーモンドの実も見えます。

割ると断面はこのようになっていました。アーモンドがたっぷり入っている為、包丁で割ると生地が崩れてしまいます。

ほろほろクッキーのような食感の落雁、野菊
ほろほろクッキーのような食感の落雁、野菊

口に含むと、一般的な落雁とは異なり、クッキーのようなホロホロ食感が楽しめます。アーモンドの豊かな香りが口の中いっぱいに広がる、甘さ控えめで素朴なお味です。独特の食感と香りが、珈琲やカフェオレにも良く合いそうなので、洋菓子好きの方にもお勧めしたくなります。

葉は琥珀糖製。薄く結晶化した外側のシャリッとした食感と、内側の柔らかいゼリーが楽しめます。

琥珀糖で出来た野菊の葉
琥珀糖で出来た野菊の葉

九月らしい和菓子「野菊」は、京都百万遍にあるかぎや政秋さんのお店や、公式ホームページで購入可能です。京都駅ナカでも見かけましたので、お土産の買い忘れの際にも重宝しそうですよ。

今回ご紹介したお店とお菓子

かぎや政秋

野菊 15個入 680円(税込)

和菓子研究家

YouTubeにて日本のお菓子と菓子作りを海外に紹介する菓子専門チャンネル「decocookie channel」を運営。伝統的な日本の菓子づくりだけでなく、今現在、海外で人気のある日本の菓子や知育菓子まで、幅広い日本の菓子を紹介しています。Yahooでは、奥深い和菓子を様々な角度からご紹介できればと思っています。

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