change.orgで『署名』する前にすべきことTBSのポールマッカートニー仮病報道抗議
KNNポール神田です。
【追記】問題となったポールマッカートニーが六本木で飲み歩いたとするイラスト
TBS側は ウェブサイトでこのキャンペーンの署名を受け謝罪した。同番組でのテレビでの謝罪はなかった。
湯川れいこ氏の抗議のtwitterはこちらだ…。
そして、湯川れいこ氏は、署名サイトのchange.org上のTBSの抗議キャンペーンに対して、twitterでこう発言した…。
「こんなキャンペーンが始まっています。決していい加減な団体では無いと考えて、私も署名しました。ぜひ、ご自身の目で確認して、賛同する場合は署名して下さい」
2014年のポールマッカートニーさんの国立競技場公演中止は仮病であると誤解を招くような報道について、TBSは訂正して謝罪してほしい
ここまではTBSの報道バラエティに対する抗議の署名運動であり、『change.org』は米国の企業が運営するサイトであり、署名を集める機能を無償で提供している。そして、chage.orgのビジネスモデルについては少し理解が必要である。
『署名』とは、個人が意思を『公』にしていることが一番重要なこと
change.org は一般企業が無償で『署名収集』機能を提供するサイトであり、会員の会費や企業の出資や寄付、広告キャンペーンなどによって運営が賄われている。当然、利益がないと無償で提供できるわけがない。
それと同時に、署名することイコール、公に自分の意思を表示することを意味していることを理解すべきだ。
『署名』をすることは、公にステートメントを誰が指示しているのかが重要であり、『アノニマス(不特定な匿名)』では署名したことにならないのだ。そして『署名』した人の『名前』こそが重要であり、名前の個人を担保する住所やメールアドレスが必要となる。そして、それを公にすることで署名の意味(特定できる多数の人の名が連なっている)が成立する。そして、それをひきかえにある程度のプライバシーが犠牲になることも覚悟して『署名』をする必要がある。主義主張や思想と名前などがヒモ付けられ、検索される可能性などを含めてだ。紙の署名との明確な違いは、検索されやすい事や、クッキー(表示履歴)を利用されるなどが挙げられる。紙の署名でもチカラ技で住所と氏名をリスト化しようとすれば可能だ。
署名を集めるサイト change.org のビジネスモデルを理解しておきたい
change.orgのサイトのビジネスモデルの説明にあるように、『Change.orgは個人情報、メールアドレスをユーザーに無断で第三者に販売したことはありません。』とある。しかし、ここで使われている『無断』の言葉に注目してほしい。
『無断』といいながら、最初から許可したことになっていないか?
今回のポールマッカートニーの仮病に対しての抗議の署名ページであるが、筆者が、青で囲った部分がすでにチェックボックスは、すでに『オプトイン』していることになっているのだ。これは『無断ではないこと』を意味をしている。
しかも、文言に『私の名前と電子メールアドレスをポールファン有志と共有することに同意します』とある。それって署名に本当に必要なことだろうか?『ポールファン有志』という言葉づかいも気になる…。
【追記】change.orgに確認させていただいたところ、『ポールファン有志』という文言は、署名を募るユーザーが設定した名称の文言が使われているということ。
さらに『自分の賛同者名及びコメントをキャンペーンページで公開』にも許可したことになっているのだ。
そう、あくまでもこの部分は純粋な意味での『署名』ではなく、change.orgのマーケティング的側面での利用を許諾し、『無断』でないことを証明する画面になっている。なので、純粋に『署名』だけしたいのであれば、ここのチェックボックスははずしておく必要があるだろう。
むしろ、このようにデフォルトでオプトインにチエックしている時点で、さもしいと思わないのだろうか?オプトインは了承を得てからチェックするものだ。ここは署名サイトであって、アダルトサイトではないんだから!
【追記】change.orgに確認させていただいたところ、このオプトインのチェックボックスは、チエックされていない状況が望ましい事をUS側にリクエストしているという。残念ながら現在、チェックボックスのチェックがデフォルトでは、まだ外されてはいない。
さらに『署名』をすると、キャンペーンを広げるためにコーヒー一杯分の300円を出資をしろという…。すでに出資した人の名前が『無断』でなく利用されていることもわかる。change.orgのビジネスモデルだから仕方がないが、署名キャンペーンの成功のために、優先的に見えるように広告に協力しろと言っているにすぎないのだ。
『署名』を集めやすくし、社会に声を上げやすくするというchange.orgの機能はとても素晴らしいと絶賛したいが、その運営を賄うためのオプトインや、『ポールファンの有志』の言葉の選び方には、問題があると思う。
社会貢献につながるために、あえて、自分の名前をパブリックにすることによって得られる『署名運動』なのだから、オプトイン機能は名前をパブリックにする人の意思で選ばせるべきである。
2018年11月17日のTBS系『新・情報7DAYS ニュースキャスター』で、このネット署名運動の事や、噂レベルの報道を訂正するかを見守りたい。それとともに、change.org のチェックボックスのデフォルトではオフ化を望む。