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ゴールデンウィークは長編映画をゆっくり見るチャンス!【オッペンハイマーなど、3時間越えの映画3選】

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー
画像は休日のイメージです

いよいよ明日からゴールデンウィークですね!

今年は最大で10連休になるようですが、もう予定は立っていますか?

まだ予定がない方や、空いた日がある方は映画鑑賞などいかがでしょうか?

ということで、今回は連休中にじっくり楽しめる映画を3つ紹介します。

3時間越えというテーマを設定しつつ、おすすめしたい3作品を洋画、アニメ、邦画から選びました。

時間を気にせずゆっくり楽しもう!
時間を気にせずゆっくり楽しもう!

オッペンハイマー

こちらは2023年にアメリカで公開されたクリストファー・ノーラン監督の映画で、アカデミー賞「作品賞」などを受賞しています。本作は「原爆の父」とも呼ばれる学者ロバート・オッペンハイマーを描いた作品で、R15+に指定されています。

アメリカで作られた原爆に関する映画ということで、日本では賛否があり、国内の公開がなかなか決まらなかった作品です。ようやく今年の3月末から公開が始まり、現在も上映されています。

日本人であれば、本作に対していろいろな思いを持つ方がいるでしょう。

ですが、これまでのノーラン監督の作品はどれも素晴らしいものでした。唯一無二の構成を一度は見てほしいので、本作が受け入れられないという方も、本作以外のノーラン監督作(メメント、インセプション、テネットなど)はぜひチェックしてみてください。

みどころ

本作の内容は個人個人の受け止め方にもよりますし、嫌悪感から見たくないという判断も間違っていないと思いますので、内容自体の良し悪しは語りません。

ここで、私が着目したいのは内容ではなく公開時間です。たいていの映画は90~120(=2時間)分ほどで、長くても2時間を少しはみ出る程度です。

しかし、本作は180分、つまり3時間もあります。そのため、上映が終わるとトイレに駆け込む人も多くいました。感想の中には、作品後半は内容の良し悪しよりもトイレのことばかり考えていたという声もあるようです。

私自身、普段は映画館ではドリンクとポップコーンなどを買うのですが、2時間を大幅に越える映画を見る際には、飲み物は買わずに「渇き」と「尿意」という一見矛盾しそうなダブルパンチに耐えながら見ることもしばしば。

そんなわけで本作は、鑑賞前にいろいろな覚悟が必要です。しかし、同じ値段で3時間も見れて飲食費も安く済むという点では、ある意味すごくコスパのいい映画かもしれません(映画館としては商売あがったりかもしれませんが)。

気になって見るかどうか迷っている方はそれくらい気楽に見てみて、それからゆっくりと自分の心が感じたものと向き合ってみるのもいいのかもしれません。
ただし、鑑賞前にはしっかりと心身の準備しておきましょう!

GODZILLA(アニメ版ゴジラ)

『ゴジラ』シリーズ初となる3Dアニメ作品で、2017~2018年にかけて公開されました。第一章、第二章、最終章の三章構成の時間を合わせると4時間半ほどになります(本作は三章に別れていて、単体それぞれでの上映時間自体は90~100分ほどですが、R指定がなく大人から子どもまで楽しめる作品ということで選びました。)。

昨年公開され、アカデミー賞「視覚効果賞」を受賞した山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』と、2016年に公開されて大ヒットした庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』との間に公開された作品で、本作の印象はやや薄いかもしれませんが、しっかり作りこまれているため、じっくりと時間をかけて楽しめる作品です。

みどころ

とにかく壮大で、宇宙規模な本作。
インパクトはゴジラ史上最大級といえるでしょう。
さらには、街そのものがメカゴジラになった「メカゴジラシティ」など、観た人にしか分からないであろう特殊な存在や設定、予想外の展開が見られます。

従来の怪獣映画ファンだけでなく、SF作品が好きな方には広くオススメしたい内容です。ただし、戦いがちょっと地味だったり、理屈っぽい展開があったりするので、生粋の怪獣ファンからは不評の声も寄せられていました。
本作を見る際には巨大怪獣の熱いバトルはあまり期待せず、スケールの大きなSF作品を楽しむ気持ちで見ると良いでしょう。

ゴジラのフォルムはとにかくカッコ良く、登場するフツア族の少女たちは可愛らしく描かれており、絵的にもとても楽しめる作品なので、ゴジラの造形が好きな方やアニメ全般が好きな方にも、もちろんオススメですよ!

愛のむきだし

本作は2009年公開の園子温監督の映画です。公開時間はなんと、237分と、約4時間もあります。インターミッション(途中休憩)をはさむ映画館もあったそうですが、通しで上映していた所もあったようで、オッペンハイマー以上にトイレに気を使うことになりそうですね・・・。もっとも、現在は配信などで自宅で見ることが出来るので、その点は安心です。

本作は敬虔なクリスチャン家庭で育った主人公がある理由からわざと罪を作ろうとして女性を盗撮するという、見ていない人にはちょっと謎であろう展開から始まります。そして、それがきっかけとなり、初恋の相手と出会ったかと思えば、怪しい新興宗教団体と戦うことになったり。約4時間の上映時間をフルに使って展開していくストーリーは、かなり鮮烈かつ刺激的です(R15+指定)。

みどころ

「盗撮」に始まり「怪しい宗教儀式」や「流血」など過激なシーンが多いため、苦手な人には辛いかもしれませんが、かなり見ごたえがあります。見終わった後には、壮絶な体験をしてきたような気分になることでしょう(あるいは、それをトラウマと言う人もいるかもしれませんが)。

ゴールデンウィークなのにすることが無くて刺激に飢えている方がいたら、チェックしてみてもいいと思います。この映画を観ただけで、今年のゴールデンウィークがかなり濃密な体験になるはずです。
ただし、鑑賞の際は無理をせず、休憩を挟みながら見ることをオススメします。

ほかにも、誰もが知る名作『タイタニック』や、ファンタジーの金字塔『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(劇場公開版の1部と2部は、ほんの数分だけ3時間に足りませんでしたが)なども3時間越えです。

また、古い作品だと、スターウォーズなどの海外映画にも強い影響を与えた、黒澤明監督の『七人の侍』も207分の超大作ですね。

普段なら見るのに疲れてしまうので、あまり長過ぎる映画は避ける方もいることでしょう。そんな映画を安心して見られるのも、大型連休中ならでは。
連休中なので、途中で疲れてしまったら、翌日に持ちこしてもOKです!

他にも、映画やアニメなど楽しめる情報を記事やXで発信しています。
ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

(※ 上記は昨年のゴールデンウィークの際のポストです)

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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