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今週末、どこ行く? 女性のはじめての【ひとり温泉】に優しい宿 この宿を選べば失敗しない!

山崎まゆみ観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)
すっかり寒くなってきた。温泉に入ってぽかぽかになろう(写真:アフロ)

ひとり温泉は、いくつかのタイプに分けられる。

本章では、5つのタイプに分類してみた。それぞれがどういう特徴を持っているかをご紹介しながら、好みのタイプを見つけて欲しい。それにより、宿の選び方や旅のルートなどを考えると、より豊かなひとり温泉が待っている。

さて、あなたはどのタイプ?

時にひとり、時に賑やかにしたい、ちょっと寂しがり屋なひとり温泉タイプ

温泉宿にたどり着く道中はひとり、部屋でもひとりで過ごしたい。けれども、すべてひとりっきりだと寂しすぎる。せめて、宿では多少の話し相手が欲しい。ひとりの時間とひとりでない時間を、その時の気分で選びたい。

そんなひとり温泉を求める人には、アミューズメント要素が盛りだくさんな愉快な宿をご案内。

*お祝いの宿

「つるや吉祥亭」と「吉祥やまなか」は、「お祝いの宿」系列として、北川温泉、山中温泉だけでなく、徳島県の鳴門温泉、沖縄県の山田温泉などにも温泉宿を持つ。 

誕生日、還暦記念日、母と娘の記念旅行、記念日ならなんでもいい。「お祝いをします!」がコンセプトだから、趣旨を伝えればサプライズパーティーもしてくれる。ひとりで過ごす誕生日に、いいではないか。

これらの宿を運営している「HPDコーポレーション」のみなさんは面白いことが大好き。どうしたら働く自分たちも楽しいかを話され、それで私まで楽しい気分になってしまうのだから、宿は働く人次第でどんどん変わっていくのだと思う。

ひとり温泉だけでは、やや寂しいかもという人には、優しいもてなしに感じ入るだろう。

*囲炉裏の宿でほっこりと

栃木県奥鬼怒温泉郷の「加仁湯」には、囲炉裏の間がある。そこには熊のはく製や敷物があり、お客さんたちが、主の小松輝久さんを交えて語らう。

小松さんは、一日の仕事を終え、お客さんが囲炉裏に集まってくると、一升瓶を片手に登場。そして「加仁湯」名物の熊汁の話、熊のハンターの話、秘湯の一軒宿を守る話などを、よく通る声で、巧みな話術で語る。そのうち話題はメインの温泉へと。

「加仁湯」は、とちぎにごり湯の会にも加盟している、その名の通り、栃木県内に湧く乳白色、エメラルドグリーン、ブルーなどの様々な色の違う温泉を入り比べて、お客さんににごり湯の奥深さを知ってもらおうという温泉施設が集まっている会。小松さんはこの囲炉裏でにごり湯の神秘なども語ってくれる。

※この記事は2024年9月6日に発売された自著『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)から抜粋し転載しています。

観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)

新潟県長岡市生まれ。世界33か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を国内外に伝えている。NHKラジオ深夜便(毎月第4水曜)に出演中。国や地方自治体の観光政策会議に多数参画。VISIT JAPAN大使(観光庁任命)としてインバウンドを推進。「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱しバリアフリー温泉を積極的に取材・紹介。『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』(潮出版社)温泉にまつわる「食」エッセイ『温泉ごはん 旅はおいしい!』の続刊『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)が2024年9月に発売

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