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ロンドンテロ 続報 ー実行犯は英国生まれ

小林恭子ジャーナリスト
横たわる実行犯とみられる人物を囲む警察官ら(デイリーテレグラフ、23日付)

22日に発生したロンドンテロでは5人が亡くなり、40人が負傷した。

23日になって、実行犯とみられる人物の背景が少しずつ判明してきた。

ロンドン警視庁は「実行犯は一人」、「国際的なイスラム過激組織にインスパイアされた」と発表していた。これまでに8人に対し、関連捜査を行っているという。

BBCが23日に伝えたところによると、22日午後11時過ぎ、英中部バーミンガムのハグリー・ロードにあるアパートを警察が家宅捜査したという。少なくとも4人が逮捕された模様。付近はバーミンガムの繁華街の1つだ。ロンドンでも家宅捜査が行われたという。

メイ首相は議会で、実行犯が「英国生まれであること」、かつて国内の治安情報を収集するMI5の調査対象になっていたことがある、とのべた。ただ、「現在のテロ捜査の対象にはなっていなかった」。今後、政府の対応が適切なものだったかが問われそうだ。

テロの危険度レベルはこれまでのように「シビア」(重大)とする。2番目に深刻なレベルである。特定のテロが発生する情報がないため、レベルを最高度までは上げない方針だ。

現在までに、議事堂に近いウェストミンスター橋で実行犯が運転していたのは、エンタープライズ社が貸し出しているレンタカーであったことが分かっている。同社はバーミンガムに本部を置く。

前回、ウェストミンスター議会周辺がテロの標的になったのは1991年。英領北アイルランドとアイルランド共和国との統一を求める民兵組織IRAが官邸に攻撃をかけた。

その前は1979年。サッチャー元首相に近い存在だったエアリー・ニーブ下院議員が、下院の駐車場に駐車していた車にIRAの分派INLAが仕掛けた爆弾で命を落とした。

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今回のテロは「ローン・ウルフ(一匹狼的)アタッカー」が、ローテク(爆弾や銃などではなく、車を使う)によってテロを起こした。欧州で発生する最近のテロのトレンドでもある。この点についての記事(東洋経済オンライン)もよろしかったらご覧ください。

ロンドンテロで鮮明化したローテクの脅威

-2005年のロンドンテロと比較して、どこが変わったのか、雰囲気はどうかなど個人的な印象についてはBLOGOSに書いています。

誰もがテロリストになり得る社会で、どうテロを防ぐのか  

ジャーナリスト

英国を中心に欧州各国の社会・経済・政治事情を執筆。最新刊『なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで』(光文社新書)、既刊中公新書ラクレ『英国公文書の世界史 -一次資料の宝石箱』。本連載「英国メディアを読み解く」(「英国ニュースダイジェスト」)、「欧州事情」(「メディア展望」)、「最新メディア事情」(「GALAC])ほか多数。著書『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス』(洋泉社)、共訳書『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)。

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