KDDIがビッグローブを800億円で買収した狙いと盲点 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.206
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石川 温の「スマホ業界新聞」
2016/12/10(vol.206)
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《目次》
1.KDDIがビッグローブを800億円で完全子会社化
━━老舗ISPがまさかのキャリア傘下に。MVNOもいずれ辿る道か
2.楽天モバイルが、18万円のドローンを販売
━━「サブスマホ」を楽しむためのオプション品を充実
3.DeNAがまとめ記事サイト事業で3時間の釈明会見
━━彼らは本気で「メディア」を運営する気はあったのか
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.KDDIがビッグローブを800億円で完全子会社化
━━老舗ISPがまさかのキャリア傘下に。MVNOもいずれ辿る道か
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KDDIは12月8日、ビッグローブの株式を総額800億円で取得し、来年1月末を目途に完全子会社化すると発表した。
ビッグローブには、固定回線を利用したインターネット接続サービスにおいては、2016年9月末時点で200万超の会員がいる。またモバイル事業においても、約40万人の会員を抱えている。
プレスリリースでは「通信領域のみならず、決済、物販事業などの非通信領域で両社のシナジーによる事業拡大を図る」とあるが、狙いは回線契約なのだろう。これまでKDDIが獲得してきた固定回線での契約者数とビッグローブ、さらにニフティも買収すれば、MM総研調べのシェア争いでは2位となる見込みだ。
固定回線に関しては、一度、敷設した回線を乗り換えると言うことはほとんどないため、競争は一段落してしまっている状態だ。「乗り換えがない」ということは、ビッグローブを契約しているユーザーはこれからも同じ回線を使い続けるわけで、KDDIにとってみれば安定的な収入源として期待できる。他社からユーザーを引っぺがすことができないのであれば、買い取ってしまうのが早いというわけだ。
一時期、自分はビッグローブの会報誌でコラムを書いたりしたことがあったが、その際に教えてもらった会員の属性を見ても、比較的、年齢層が高いと推測される。この先も継続的にビッグローブを使い続けるであろう人たちであることは間違いなさそうだ。
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