Yahoo!ニュース

中日岩嵜翔の古巣福岡登板に、ソフトバンクが粋な演出。同期入団1位vs2位の胸アツ勝負も

田尻耕太郎スポーツライター
中日の岩嵜翔投手(筆者撮影)

 3月3日、福岡ソフトバンクホークスは本拠地PayPayドームで中日ドラゴンズとオープン戦を行った。

田中正義が開幕ローテへまた前進

【3月3日 オープン戦 PayPayドーム 12047人】

中日     `001002020 5

ソフトバンク `110000001 3

<バッテリー>

【D】高橋宏、◯清水(1勝0敗)、山本、近藤、岩嵜、Sマルク(1セーブ)――桂、石橋

【H】田中正、笠谷、●重田(0勝1敗)、田浦、尾形、津森――海野、谷川原

<本塁打>

【D】鵜飼1号

<スタメン>

【D】9岡林 8大島 7阿部 5石川昂 4高橋周 3A・マルティネス 6京田 2桂D鵜飼

【H】8牧原大 4三森 D柳田 7グラシアル 9栗原 3リチャード 5井上 6川瀬 2海野

<戦評>

 ソフトバンクは先発した田中正が予定イニングの3回を投げて1失点。打者8人までパーフェクトに抑えたが、3回2アウトから鵜飼に二塁打を浴びて、直後にタイムリーを許して失点した。それでも藤本監督は好評価。目指す開幕ローテ入りへまた一歩前進した。

 2番手の笠谷は2回完全2奪三振。2月23日の西武戦(宮崎アイビー)で2回2失点など調整遅れが目立っていたが、巻き返しとなる快投だった。

 しかし、リリーフ陣では3番手の重田が先頭に四球を与え、次打者の鵜飼に逆転2ランを浴びる痛恨の内容。尾形と津森も登板直後に四球を与えて、藤本監督も反省を促していた。

 打線は初回に柳田の二ゴロ併殺打の間に先制し、二回には海野の適時打で幸先よく先行したが、10安打3得点と決定打を欠いた。ただ、選手個人を見れば海野、上林、栗原がマルチ安打を記録。なかでも不調を訴えていた栗原のバットから快音が聞かれたのが好材料となった。(了)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

岩嵜翔と中村晃、同級生の胸熱くなる勝負

2人が対戦した際のホークスビジョン(筆者撮影)
2人が対戦した際のホークスビジョン(筆者撮影)

 ソフトバンクから昨オフに、又吉克樹投手のFA移籍に伴う人的補償で中日入りした岩嵜翔投手が、PayPayドームのマウンドに上がった。

 八回裏から登板。慣れ親しんだマウンドでイニング間に投球練習を行った際は、昨季まで登場曲に使用していたmiwaの「Who I Am」が球場内に流された。ソフトバンク側の粋な演出。客席の鷹ファンからも沸き起こった温かい大きな拍手がドームを包み込んだ。

 ソフトバンクナインも対戦を楽しみにしていた。先頭の上林誠知外野手が右前打。続く栗原陵矢外野手も右前打と連打を浴びせた。

ソフトバンク栗原「楽しかった」

 栗原は「試合前に話をして『初球カーブでしょ』と僕が言うと、『俺がオマエの状態を上げてやるよ』と言ってもらったんですけど(実際には初球直球で、打った3球目がカーブだった)、上げさせてもらいましたね。良かったというか、楽しかったです」とオープン戦ならではのエピソードを披露した。

岩嵜翔投手vs中村晃選手(筆者撮影)
岩嵜翔投手vs中村晃選手(筆者撮影)

 ノーアウト一、二塁。以降は岩嵜が意地を見せた。リチャードを中飛で1アウト。次打者は中村晃だ。2007年高校生ドラフトの1位が岩嵜で、2位が中村晃の同級生対決。3ボール1ストライクから、結果はセカンドフライ。少しボール気味を強引に打ちにいったように見えた。フォアボールで終わらせたくないという中村晃の心情を垣間見たような、胸の熱くなる勝負だった。

そして最後は今宮がファーストライナーで3アウト。岩嵜は1回2安打無失点で役割を果たした。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

田尻耕太郎の最近の記事