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復活へ「151キロ」投げた――武田翔太がいよいよ実戦間近に

田尻耕太郎スポーツライター

落合博満氏が「将来はエース」と絶賛

武田翔太が帰ってくる。プロ2年目だった昨季途中に右肩の不安を覚えて戦列を離れ、復帰を目指した今春キャンプでもやはり右肩違和感で途中離脱していた。シーズンが始まっても球場を離れ、福岡市東区にある西戸崎室内練習場でリハビリの日々。それがようやく、実戦登板への目途が立ったのだ。

2年前、高卒ルーキーだった右腕は球界に衝撃を与えた。デビューから2戦連続無失点に抑えての白星は、史上初の快挙。7月の一軍デビューだったにもかかわらず、そこから8勝(1敗、防御率1.07)を挙げた。マウンドでの笑顔や時折飛び出すビッグマウスに批判の声もあったが、それを跳ね返すほどの勢いがあった。数多くの球界OB、なかでも評価に厳しい落合博満氏(現中日GM)さえも、以前に福岡で行われたトークショーの中で「将来的にはホークスのエースになるでしょう」と称えていた。

復帰マウンドは25日

右肩への不安はもうない。今月16日のシート打撃。久しぶりに球場のマウンドで、打者に対して投げた。最速151キロ。リハビリ組のスタッフは皆、驚きを隠せなかったという。しかし、当の本人は涼しい顔だ。

「150キロ出ている感じはしなかった。そんなに力を入れて投げていないので」

ニコッと笑う表情は以前と変わらない。しかし、体つきが随分変わった。

「大きくなったでしょ。ウエートにはずっと力を入れています。春のキャンプから、6キロ増えました」

体脂肪率は10%強というからものすごい成長曲線である。「服がパツンパツンですよ」とまた微笑みを浮かべるのだった。

豪華先発陣を誇るホークス先発陣だが、エースの攝津正をはじめ中田賢一、寺原隼人、帆足和幸は30代。その他では外国人勢のスタンリッジやウルフが名を並べる。チーム作りにおいて、先発の若手投手の台頭が渇望されている。武田はソフトバンクホークスの財産だ。

復帰戦は25日(日)の3軍戦、対愛媛マンダリンパイレーツ(雁の巣)の予定だ。七夕デビューを飾った2年前のような衝撃をまた与えてくれるだろうか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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