井上尚弥と対戦を熱望する3名のボクサーと井上の本命は?
ボクシング世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)は、7月25日に東京・有明アリーナで行われるWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、王者スティーブン・フルトン(28=アメリカ)と対戦する。
この注目の一戦はファンだけでなく、井上との対戦を望むボクサーたちにとっても熱い観戦対象となることは間違いない。
今回は、井上との対戦を熱望している3人のボクサーを紹介したい。
ジョンリル・カシメロ
まず一人目は、元3階級制覇王者のジョンリル・カシメロだ。
カシメロはこれまでの37戦33勝(22KO)4敗の戦績で、パンチ力が特筆されるボクサーだ。
バンタム級時代から井上との対戦を熱望し、挑発を繰り返してきた。
一時は井上との試合が決定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止。それ以降も井上との対戦の機会を待ち続けている。
スーパーバンタム級に階級を上げてからは、2試合をこなし、赤穂亮(横浜光)やフィリパス・ギタンバ(ナミビア)に勝利を収めた。
現在、WBC、WBO、IBFの3団体でランクインしており、王座への返り咲きを狙っている。
強打が魅力の選手ではあるが、減量失敗でベルトを剥奪された過去がある。
ルイス・ネリ
二人目は、元2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)だ。
ネリは現在、36戦35勝(27KO)1敗の戦績で、WBC世界ランキングでは井上に次ぐ2位にランクされている。
今年2月に行われたWBCの挑戦者決定戦で勝利し、井上VSフルトン戦への指名挑戦権を獲得している。
また、先日メキシコで行われたスーパーバンタム級10回戦では、対戦相手のフローイラン・サルダール(フィリピン)から3度のダウンを奪い、2ラウンドKO勝利を収めた。
過去にはドーピングや計量失格などトラブルを起こしており、トラブルメーカーとしても注目を浴びている。
マーロン・タパレス
三人目は、WBA&IBF世界スーパーバンタム級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)だ。
日本人キラーとして知られ、大森将平(ウォズ)や勅使河原弘晶(三迫)など実力者に勝利している。
4月には、元統一王者で無敗のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と対戦し、予想を覆す2-1の判定で王者を下した。
この勝利により、井上のライバルとして急浮上した。タパレスは、井上対フルトン戦の勝者との対戦を望んでいるようだ。
井上の本命は
井上が目指すのは、スーパーバンタム級での4団体統一だ。
バンタム級に続く2階級での4団体統一は、達成すればボクシング史上初の快挙だ。
そうなると一番のターゲットは、同階級で2つのベルトを持つ王者タパレスだろう。
しかし、チャンピオンには指名試合の義務があるため、いきなり統一戦は考えにくい。
最短の道でも、年内に指名試合をこなし、来年春くらいに王者との統一戦といった流れだろう。
この階級で井上と対戦を望む選手は多い。対戦すれば、多額のファイトマネーはもちろん、注目が一気に高まる。
今回、井上と対戦するフルトンも通常試合の約3倍のファイトマネーを手にすると言われている。
数年前は、知名度があまりない強すぎる選手として、対戦相手が見つからないこともあった。
しかし、4団体統一やPFPランキングで1位を獲得したことで、知名度が飛躍的に高まり、多くのボクサーから対戦を望まれる存在となった。
レジェンドのマイク・タイソンや3階級王者のジャーボンテイ・デービスなどのトップ選手にも一目置かれている。このような日本人ボクサーは過去に存在しなかった。
井上の存在で、より一層スーパーバンタム級が盛り上がっていくことだろう。