Yahoo!ニュース

大阪箕面にとてつもない名店誕生!イノベーティブ中華 「中華私房菜ハスノハナ」古き良き思い出を大事に

磯貝由起スイーツコンシェルジュ・ライター・PRコーディネーター

スイーツを中心に、ホテル情報や旅行記を発信している yukienglish です。

大阪の北摂、箕面に2023年に誕生したイノベーティブ中華 「中華私房菜ハスノハナ」。
中国料理と和のエッセンスで織りなす「和魂漢才」のコースを味わうイノベーティブ中華は、今までどこにもなかったような特別な体験でした。
そしてその一つ一つが古き良き時代の思い出に想いを馳せた素敵な料理なのです。

料理のコンセプトは「和魂漢才」

大阪北摂箕面の人気店から誕生

大阪の新御堂筋沿いにあるお洒落なアジアンダイニング 『リーツァンティン』。長く地元の人に愛される人気店の2階フロアに誕生した「中華私房菜ハスノハナ」では、サロン的な空間で、イノベーティブな中国料理をゆったりと愉しめます。
店内はカウンター10席のみ。目の前でシェフ自ら作り出すお料理は、素材から説明してくださり、作る過程も目が離せません。

中国料理と和のエッセンスで織りなす、イノベーティブ中華

コンセプトの「和魂漢才」とは、日本固有の精神と中国伝来の知識、学問を兼ね備えること。
こちらでは中国料理の伝統技法を大切にしながら、日本人のための新しい中国料理を提供。
自然豊かな北摂の地産地消の素材でここでしか出会えない料理をくりひろげると聞いていたのですが、メニュー表を見てびっくり!まったく想像がつきません。

Grand Chef 木村のおまかせディナーコース 13,200円(税込)

季節の形

季節の素材を食す最初の前菜は、ライムのジュレがさわやかな酸味の蛍烏賊と甘エビ。その下の麺のように見えるのはなんと抹茶の春雨。緑豆からシェフが作るお手製の板春雨なのです。
この平たい春雨の美味しさにはまりました!抹茶の味がしっかり感じられ、そこに途中から、、、

キャビア!味に変化を与えます。

2品目の前菜は干豚。最初にピーチ蕪を一口いただき、からすみのコクを加えたところに、スモーキーな干し豚をいただきます。

旬の香り

ここで次のスープで提供する鮑や木の芽を見せてくださいます。豪華な鮑!

衣笠筍の滋味あふれるスープがとにかく美味!そこにレアの鮑をくぐらせ、鮑に火が通りすぎず絶品です。筍や、木の芽という北摂の野菜がまた新鮮。

自然の力

ここでなんとも力強い料理が登場。丸いじゃがいもの饅頭の中には赤いお芋のノーザンルビーで鮮やかな赤紫。周囲のスパイシーな桜海老、干し海老、干し貝柱の乾煎りが香ばしい。スープを潜ませたじゃがいもの饅頭と合わせるとまるで食べる酸辣湯です。

温かな土鍋が登場。

海と大地の恵み

金目鯛と野菜の上品な煮物。シェフの修業時代の努力の思い出がつまったお料理は優しい味でした。

お料理とは別に大満足したのが、とにかくワイン、ウイスキー、紹興酒などアルコールの品揃えが秀逸!特にワイン好きはソムリエであるオーナーの解説を聞きながらお料理をいただけば楽しさが何倍にも。グラスの数や予算など相談できるので、ぜひお得なペアリングを楽しんでほしい。

この日も奇跡のワインと呼ばれる1988年のシャトー オリヴィエが!35年前のワインで熟成ワインの醍醐味が楽しめます。こういった稀少なワインもあれば、こんなに美味しいのに市販でその値段で買えるんですねと驚くようななじみ深いワインもラインナップしています。

和魂漢才

ここでコンセプトを名前に冠したメニューが登場!
え?おやつなの?と思うこちらの三品。

最中に、アイスキャンデーに、ごま団子。すべて中華料理なのです。
肉料理に柑橘をあわせて爽やかに。
特に私が美味しい!と声を上げたのは真ん中のチョコレートのアイスキャンデー風の鶏レバー。周囲のナッツが香ばしく、ねっとりしたレバーに最後に清涼感を感じるのは実はパクチーが潜んでいます。でもパクチー嫌いな人も気が付かないような隠し味。エンドレスに食べ続けたくなる美味しさです。

木村の誓い 

どういうネーミング?とびっくりしたのですが、これには木村シェフの熱い決意が。
塩釜に包まれているのは、和歌山のイノブタ。シェフが幼少期に、祖母と共に過ごした思い出の地、和歌山県すさみ町の特産品です。
祖母との思い出を料理に転化して、原点に戻って努力するというシェフの決意を表現したこのネーミング。なんだかジーンときました。

ジューシーなイノブタ。水を加えていないのに、これだけの肉汁が。

豚肉の四川式うま辛ソースかけ「雲白肉(ウンパイロウ)」をイノブタで。通常は生のきゅうりの薄切りを添えますが、ドライのぱりっとした胡瓜と甘みを加えるドライ苺との組み合わせ。うま辛ソースを胡瓜にもしみこませていただきます。

大阪の拘り 

ここで大阪への拘りを体現した料理が登場。麻婆豆腐かと思いきや、豆腐の塩煮込みにピリ辛ソース。食べてみるとなるほど!これは新しい料理です。私としては麻婆豆腐超える美味しさの新感覚料理で、まさにイノベーティブ中華だと思いました。
豆腐の上に大阪の名品、河内鴨がのっています。レア感が残るタタキにした鴨を、豆腐の汁にくぐらせるとちょうどよい火通りになります。

素材の力

コースをいただき、かなりのボリュームにびっくりでしたが、最後に締めが登場。
たまご炒飯の上にはなんと!煎り煮したふかひれが。ぱりぱりと香ばしい表面と、中のとろけそうなふかひれが美味。
ソースがまさに大阪的なのは、大阪の誇る『昆布の土居』の昆布をソースにしているのです。大阪といえば真昆布。その風味が絶品で佃煮的な濃い味ではなく旨味を感じつつ中華の味わいを生かしたソースです。

思い出

何もかもがびっくり、そして美味なコースに大満足でしたが、やはり楽しみでたまらなかったデザート。
たまごを焼いた皮の中には、キウイと蓮の実の餡が。酸味が強すぎなくてつぶつぶ感が心地よくとっても美味しいです。上には胡麻砂糖がかかっていて素朴な甘さを加えています。
プーアール茶のチョコレートのテリーヌが絶品。プーアール茶の風味がほわっとし、塩が甘さを引き締めています。これはぜひお土産で販売してほしい。

食後にはスイーツに合わせて、珈琲か中国茶を選べます。

医食同源

大満足なコースをいただきましたと悦に入っていたのですが、実はまだあった!
奈良県名産、古都華の苺ソースを添えた杏仁豆腐。
杏仁豆腐って、 実は薬膳料理の一種なのです。中国のある名医が、自身が治した患者の治療費の代わりに「杏の木」を植えるように頼み、杏の木になる果実の種を原料とした料理が「杏仁豆腐」 となったと言われています。なので、こちらのコース、美味しすぎて食べすぎますが、最後にお薬をいただく気持で食べさせていただきます。
杏仁豆腐は杏仁(きょうにん)と呼ばれる食材を加工して香りを抽出することで風味を楽しみます。こちらではコクを感じる北杏だけで作るというのがこだわり。
意外なほど癖がなくかつ、濃厚さが感じられる特別な杏仁豆腐でした。

古き良き時代の料理を進化させ、創作を楽しむ特別な夜

20年以上の経験に裏打ちされたシェフの技術を徹頭徹尾発揮し、すべてが目を見張る逸品の連続でした。京都陶葊の器など細部までこだわり、それでいて緊張しないように楽しく優しく説明していただけるのがとても心地よかったです。
そしてアルコールの品揃えやセレクトは他に類をみない拘りが感じられ、訪れるたびに発見がありそうな素敵なレストラン。これからおいしい中華をたべるなら箕面へ!と話題になりそうです。

中華私房菜ハスノハナ
住所 大阪府箕面市船場東3-3-11 2F 
TEL   :072-749-0038 ※完全予約制
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30) 
定休日 :水曜日
HP

スイーツコンシェルジュ・ライター・PRコーディネーター

英語教室オーナーであり、好きな英語と、甘いものを楽しむ毎日。3万以上のスイーツ情報紹介。特にプリンは1万個のプリンを知るプリンの女王と呼ばれています。

磯貝由起の最近の記事