「第三の波」のアルビン・トフラーに想いをはせる…プロシューマーは「第ゼロの波」へ向かった
KNNポール神田です!
未来学者の、アルビン・トフラーさんが2016年06月27日に亡くなられた。
未来を予見することは、本当に難しいが、過去の歴史からひもとくと、新しいパラダイムが見えやすい
1980年代に見事に未来を予見したのが、アルビン・トフラーの「第三の波」だった。
第一の波は農業革命、第二の波は産業革命、第三の波として情報革命。
その中でも、「消費生産者=プロシューマー」という概念が、現在のソーシャルメディアをとりまく環境を言い当てている。
トフラーのメタファーで考えると…。
第一の波は、生産者の誕生だった。捕食によって得られた栄養を農業によって生産することができ、定住して、集団をまとめるチカラと役割分担が明確になり、ヒエラルキーが生まれた。
第二の波は、大量生産が可能となった時代。マスエネルギーによる生産と消費で人口が爆発的に増える。生産者と消費者が共存せずに役割が明確にわかれる。資本家と労働者の時代。
そして、第三の波は、消費しながら、情報を活用して、生産者にもなり得るというプロシューマーの到来だ。
まさに、一部のYouTuberやプロのブロガーやアフィリエイターなどがそうかもしれない。
しかし、これはまだ一部なので、プロシューマーとはいえない。
また、ソーシャルメディアからのゴールがマスメディアという構図も本当の意味での第三の波ではない。
そう、私たちは、第三の波が起こる、最初のいくつかの小波にゆらされているにすぎない。
本当の第三の波はこれからやってくる…
ちょうど、大学時代、就職試験には、「第三の波」がよく話題にされていた…。当時は、ISDN や、キャプテンシステム、インテリジェントビルなどで、第三の波 を標榜していた。しかし、インターネットの今日の未来を知ると、まるでSFのように見えるだろう。
まさか、いつでもどこでもGoogleで情報を無尽蔵に引き出せる世の中になっているとは…。そして、さらにそれをソーシャルやブログで自由に表現できるとは…。さらに、それを見た人の何人かが広告を見てくれたり、本を買ってくれて、手数料が入るとか…。プロシューマーの最終的な生き方は、「第ゼロの波」時代の「地産地消」ならぬ、「自産自消」に近づいているのではないだろうか?
貨幣を介在させると、純度が落ちるが、ポイント経済やブロックチェーンで、課税もされない生産と消費が生まれつつある。自分で育てた野菜をIoTやロボット、契約農場ならぬ、共有型農場から直送のたんぱく源など、いろんな意味で、時代はトフラーの「ふりだし」の、IT化された農耕型社会の黎明期に先祖還りをしているような気持ちになった。
トフラーの予見した未来に生き、トフラーの生きた時代の価値を、再考する時期になっているのかもしれない…。