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バックスイングも‟引っ張り合い” 飛距離と方向を両立するためにポイントになる体の使い方【ゴルフ】

野洲明ゴルフ活動家

アドレス時の左右の足への体重配分の基準は左右均等。バックスイングでは左右均等か、もしくは(右打ちの場合)やや右足に体重を移動していく。

右足に体重を移動する場合は、右足に7割程度の体重が乗るイメージになる。

ただ、この体重を乗せる動作を入れるとき、注意が必要。やり方を間違えると、腰や上体が右に流れる‟スウェイ”になる。

バランスよく体を回しながら、体重を移動させることではじめて体重移動のメリットが生かされるが、そうするためには‟引っ張り合い”のイメージを高めていけると良い。

スウェイに注意

始動すると、クラブの勢いや重みの力が右側方向に働く。その力に体が持っていかれるとスウェイする。

また、ずっとボールと正対したままスイングをしようとすると、体が回らずスウェイしやすくなる。

引っ張り合いとは

クラブの勢いや重みが働く方向とは反対側の方向に、体の力を適度に使うことが引っ張り合い。この関係性を築くことで、スウェイせずにスムーズに体を回すことができる。

右の反対は左。バックスイングでは体の力を左側方向に働かせることでスウェイを防ぐことができる。

引っ張り合い
引っ張り合い

軸回転

スウェイをしたくない、からといって、下半身や顔の向きを固定してしまうと、カタいスイングになり、ボールに力が伝わりにくくなる。

動き続けることで、軸が生成されて維持される。

陸上競技のハンマー投げをイメージすると分かりやすいかもしれない。ハンマー投げは、サークルの中でクルクルと体を回転させながらハンマーを加速させていく。

この時、ハンマーが進もうとする方向とは反対側の方向に体の力を働かせている。引っ張り合っているのだ。

「サークルから出てはいけない」と、下半身をふんばったり、体を緊張させても、ハンマーの勢いに勝てずに持っていかれてバランスを崩す。仮に持っていかれなかったとしても、効率よくハンマーを加速させることはできない。

ハンマー投げは、ゴルフスイングでいうとダウンスイングの運動方向の動きではあるが、イメージするべき力の関係性は、バックスイングも同じである。

向心力と遠心力
向心力と遠心力

年間女王争いをリードする女子選手の‟変化”が参考

女子プロゴルフツアーで2連勝し、ポイントランキングトップに躍り出た、飛ばし屋の竹田麗央のスイングの変化が参考になるかもしれない。

バックスイングでは、右足にしっかりと体重を乗せこむタイプだが、昨季までは、上体も右に動いていた。

今季は、上体の右への動きが抑えられている。それが、ドライバーショットの飛距離に加えて、セカンドショットの精度向上につながっているようだ。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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