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人類最速ボルトとNFL最速ヒルが、五輪金メダルとスーパースター優勝指輪を賭けて70m走で勝負?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
NFL最速の男、タイリーク・ヒル(撮影:三尾圭)

 100メートル走で9秒58の世界記録を持つ人類最速の男、ウサイン・ボルトにスプリント勝負を挑む無謀な男がいる。

 それはアメリカで最も人気があるプロスポーツ、NFLで最速の男、カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒルだ。

ケンブリッジ飛鳥に勝った男、ヒル

 大学時代まで陸上とアメリカンフットボールの両競技を掛け持ちしていたヒルは、2012年の世界ジュニア陸上に出場。200メートル走で20秒54を記録して、銅メダルを獲得している。ちなみに、ケンブリッジ飛鳥も同大会の200メートルに出場したが、21秒24で準決勝で敗退している。

 ヒルは同大会の4x100mリレーにも出場して金メダルを獲得。ケンブリッジがメンバーに入っていた日本は銅メダルだった。

 ヒルの100メートル走の自己最高は+5.0m/秒の追い風参考ながら9秒98と10秒の壁を切っている。公認記録では10秒19を出している。

ヒルへの挑発を続けるボルト

 NFL界最速で「チーター」の異名を持つヒルに対して、人類最速のボルトが挑発を続けている。

 アメフト界では100メートルではなく、40ヤード(約36.6メートル)のタイムが重要視され、ヒルはNFL入団時の計測で4秒29を記録している。

 ボルトは2019年のスーパーボウル・ウィーク中のイベントで40ヤード走に挑戦。通常のランニング・シューズとスウェットパンツを履きながら、4秒22を叩き出した。

 ボルトはそのときの記録を持ち出しながら、ヒルには勝ち目がないと挑発。

 その後も、自身が出演しているビールのテレビCMで「チーター」に走り勝つシーンをツイッターにアップしたが、ヒルに軽くあしらわれた。

 人気スポーツ・トークショー・ホストのダン・パトリックの番組にゲスト出演したボルトは、アメフト選手としても成功できたと豪語。

 ヒルとのスピード対決が実現しそうかと尋ねたパトリックは、70メートル走で勝負したらどうかと提案。スーパーボウルの翌週(ヒルのチーフスがスーパーボウルに出場しない場合はスーパーボウル開催週)にレースを行い、ボルトは五輪の金メダルを、ヒルはスーパーボウルの優勝指輪を賭けることを提言した。

 五輪で8個の金メダルを獲得しているボルトは、スーパーボウル優勝指輪を1つしか持っていないヒルは怖がって、この勝負を受けないだろうと挑発を続けた。

 ヒルはボルトの挑発に対して、「誰か彼をかまってあげて」とツイート。

 ボルトは両者の40ヤード走タイムを比較する動画をアップして、挑発を続けている。

両者にとってフェアな条件とは?

 40ヤード走でも、70メートル走でも、人類最速のボルトが勝つのは明らか。ボルトは2017年に現役を引退しているが、ある程度の準備期間があれば、それなりのタイムは出せるはずだ。

 走りのスペシャリストであるボルトとNFL選手のヒルが勝負するのであれば、両者にとってもっと公平な条件で勝負した方が面白い。

 例えば、アメフトのヘルメットとショルダーパッドを着けて、ボールを持った状態での50メートル走はどうだろうか?

 アメリカではチャリティー目的で、異種目の対戦が実現することが多いので、ボルトとヒルの対戦も実現するかもしれない。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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