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アジア枠復活求む&「エース」発掘。リーチ マイケル、リーグワン開幕に何思う【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
後半21分に交代。取材エリアではわき腹を押さえるしぐさも。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 2019年までにワールドカップ2大会連続でラグビー日本代表の主将を張ったリーチ マイケルが、1月8日、東京スタジアムでジャパンラグビーリーグワンの初戦に臨んだ。

 東芝ブレイブルーパス東京のフランカーとして先発。東京サントリーサンゴリアスに挑んだ。

 従前のトップリーグから新装開店したリーグワンでは、各クラブの社会化、事業化が求められる。日本での競技の発展を願うリーチは、この変化をどう見たか。試合後の取材エリアで語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——東京サントリーサンゴリアスに46―60で敗戦しました。

「連続プレーがなかなか続かなくて。なんでかと言ったらペナルティ。ボールインプレーも短くて。自分たちの規律の部分で、守れないといけない部分で守れなかった。そこがチームの一番の反省かなと」

——接点では激しさを示した。

「どのチームも、サントリーとやる時はサントリーのモメンタムをどう止めるかが重要。前半はいいアタック、ディフェンスもできた。ペナルティの影響で陣地に入れず、連続攻撃ができずに終わってしまった。モメンタムはあっちに行ったりこっちに行ったりして、最終的にサントリーがモメンタムを掴んだ。ただ東芝としては、一発目の試合としては悪くない感触があります」

——リーグワンが始まった。

「トップリーグよりも(場内の)演出があり、楽しかった。これからファンがもっと楽しめるよう、プレーヤーとして頑張っていきたいです」

——リーグワンは世界に匹敵するリーグを目指していますが。

「現役のトップ選手が日本に来て、(枠組みの変更で)多くの外国人選手が試合に出て、サントリーの本気の演出も良くて。スタートとしてはいいと思います。これから各チームのホームの運営を楽しみにしています。(東芝)ブレイブルーパスの演出も、どんなものになるか楽しみです」

——リーチさんはアジアラグビー協会にも携わっています。

「リーグワンを世界トップのリーグにすると同時に、せっかくアジアなので、アジアの選手がここに出られるようにしたい。トップリーグであったアジア枠を復活させたいです(以前はアジア圏の国籍を持つ選手1名は、外国人枠とは別に出場権を得られた)。日本はアジアで(ラグビーをリードする)責任もあるので。アジアの選手にとって、日本は夢の舞台。実現できるよう頑張ってほしいです」

——母校の札幌山の手高校には、リーチさんがモンゴルから招いたダバジャブ・ノロブサマブー選手がいます。

「彼もラグビーが大好きになってきた。彼の成長も楽しみにしています」

——高卒1年目のワーナー・ディアンズ選手が先発して2トライを挙げるなど活躍しました。昨秋は日本代表デビューを果たしていますが。

「去年、もっと(試合に)出してほしかったくらいです。去年、高校生だったのに、きょうはマン・オブ・ザ・マッチ級のパフォーマンス。あれが彼のスタンダードです。高校生の頃から同じようなプレーをしている。彼は東芝のエースにはもちろん、ジャパンのエースにもなる。(東芝では)これから連続スタメンで出ると思います。

 代表でボールキャリー(突進)が強くなって、ボールをファンブルしなくなった。(代表の)合宿でハードなトレーニングも積んで、試合にも出て、かなり成長した。海外でも、20歳くらいでどんどん試合に出てかなり良くなるケースがある。彼の場合、それと同じ。100キャップ(代表戦出場数の証)、獲って欲しいです」

 1月7日の開幕戦は、埼玉パナソニックワイルドナイツで新型コロナウイルスの感染者、濃厚接触者が増えた影響で中止。かくして通称「府中ダービー」が都内での一発目となった。

 現日本代表副将でサンゴリアスの中村亮土主将は「いい意味でも悪い意味でも開幕戦っぽい試合。完成しきれていないなかでも強み、課題が見えた」と述懐。5月までのレギュラーシーズン、その後のプレーオフトーナメントまで、各クラブとも無事にスケジュールを進めたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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