5月としては強烈な寒気が通過へ 大気の不安定化に要注意
5月としては強烈な寒気が通過へ
5月としては強烈な寒気が1日(日)から3日(火)頃にかけて、北日本を中心に通過していく見込みです。
上図は上空5500メートル付近の寒気の予想ですが、青色は平年よりも強い寒気で、青色が濃くなればなるほど平年よりも低く、この時期としては強い寒気であることを表しています。予想をみると、北日本を中心に濃い青色が広がっており、平年より10度以上も低い、冷たい空気が通過していく予想です。
今回の寒気がどれくらい強いのか、気象庁が毎日午前9時と午後9時に上空の気温を観測している地点(札幌、秋田、輪島、つくば)で、ピーク時の2日(月)午後9時の寒気の予想を調べてみました。
秋田は5月の極値に匹敵
秋田は-31.9度が予想されており、これは平年値より13.3度も低く、真冬の平年値にほぼ並ぶ寒気の強さです。5月午後9時の過去最も低い記録が1972年5月2日に観測した-32.0度ですから、5月の極値に匹敵するような寒気が予想されています。
輪島も5月の極値に匹敵
輪島(石川)は-27.9度が予想されており、これは平年値より11.3度も低く、2月中旬並みの寒気の強さです。5月午後9時の過去最も低い記録が-27.9度ですから、輪島でも5月の極値に匹敵するような寒気の通過がありそうです。
札幌やつくばは、過去5月の記録に匹敵するほどではないものの、平年より10度前後も低く、3月上旬から中旬並みの寒気の通過が予想されています。
このように、今回流れこんでくる寒気は、北日本を中心に5月としてはかなり強烈なもので、場所によっては5月の極値に匹敵する可能性があります。
ゴールデンウイークは不安定になりやすい季節
ゴールデンウイークの今頃は冬の名残の寒気が流れこみやすく、昨年もほぼ同じタイミングで、西日本周りで強烈な寒気が流れこみ、大気が不安定化した結果、雷雲が発達し、静岡県で竜巻が発生するような気象現象が起こりました。
今回は下層の比較的低い所にも冷たい空気が流れこむため、不安定の度合いはあまりひどくならない可能性もありますが、1日(日)から3日(火)頃にかけて、雨雲の発達しやすい山を中心に、天気の急変に要注意です。
5月のスタート1日(日)は雨で雷を伴う所も
強い寒気の影響を受け始める1日(日)は、東日本や北日本で次第に雨の範囲が広がり、雷雲の発生する所があるでしょう。
発雷確率は東北でやや高い程度ですが、午後は関東を含めて、雨雲の発達に注意が必要です。
2日(月)は天気の急変に要注意
寒気がピークとなる2日(月)は、今のところ、雨雲が発生する計算こそ少ないものの、北陸や東北では発雷確率がやや高くなっています。
関東周辺でも、日中、地上で20度くらいまで上がった所に寒気が流れこめば、予想以上に大気が不安定化し、午後から雷雲が急に発生し、発達する可能性があります。
ゴールデンウイーク期間中ですから、天気の変化に十分ご注意下さい。
また今頃は、地上の気温が20度くらいで、まだ真夏ほど高くないため、上空で発生した氷の粒がそのままとけずに落ちてくるひょうが降りやすく、ひょう害の発生しやすい時期でもあります。農作物の管理などにも注意が必要です。