2014年ドイツ職業別年収ランキング 1位は医師、2位に弁護士
年初め恒例の職業別年収ランキングが発表された。2014年の平均年収ランキングトップは医師、2位弁護士、3位情報技術エンジニアと続く。
この調査は、求人サイトステップストーン社が行った。2014年8月に5万人を対象とした調査データを集計したもので、従業員1,000人以上の大事業所に焦点を当てた結果だ。
つまり、ここで紹介するのは、勤務医や社員の平均年収ランキングである。
ドイツ平均年収は728万円
以下、10位までを紹介しよう。
1位 医師・7万7951ユーロ(1090万円/1ユーロ=140円で換算)
2位 弁護士・6万5,041ユーロ(911万円)
3位 IT関係の情報技術エンジニア5万9,079ユーロ(830万円)
4位 専門技術者・専門技術指導 員5万9,063ユーロ(827万円)
5位 金融・経済専門5万8、415ユーロ(818万円)
6位 営業・販売5万6502ユーロ(790万円)
7位 理数系・研究員5万4952ユーロ(769,3万円)
8位 流通・通信5万4919ユーロ(768、3万円)
9位 人事管理5万4235ユーロ(759万円)
10位 販売・物流企業(742万円)
平均年収を州別にみると、首位はヘッセン州で5万5,509ユーロ(777万円)。2位はバイエルン州、3位バーデン・ビュルテンベルク州、4位のノルドライン・ウェストファレン州と続き、中部と南部在住者に高給取りが多い。
全16州における年収最下位は、ザクセン・アンハルト州の3万8、309ユーロ(536万円)で、いまだに東西の格差が見られるようだ。
ちなみに全16州の平均年収は5万2000ユーロ(728万円)。
男女でも差があるようだ。例えば、医師の場合、男性年収は女性に比べて年間1万6,720ユーロ(234万円)高い。一方、IT情報技術エンジニアの場合、男性は女性に比べて3,452ユーロ(48万円)高く、その差は1位の医師ほど大きくない。
またこの調査では、大学や高等専門学校卒業者の年収は、高等教育を受けていない人に比べて35%高いそうだ。さらに、従業員1,000人以上の大企業では、中小企業に比べて年収が10%高いという。
気になる開業医の年収は?
ステップストーン社の平均年収発表に続き、独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネに興味ある記事が載っていた。開業医の所得だ。
2013年の実績だが、例えば、3期(7月から9月)の調査結果では、総収入平均はこの3ヶ月で5万170ユーロ(702万円)。
この額を単純に4倍すると年収は20万ユーロ程(2800万円)だ。ただしこの年収から人件費や設備費、家賃など経費を差し引くことになるので、最終的にはいかほどになるのかは、不明だ。さらに、この年収にはプライベート患者や公的保険ではカバーできない個人負担の特別検査料金の収入は含まれていない。
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平均年収首位の医師は、ドイツで最も尊敬される職業として人気だ。だが、実は、ドイツでも医師不足が大きな問題となっている。なかでも地方の医師不足は日本と同じく深刻だ。
医師は、長時間労働に加えて、夜勤や休日勤務、緊急時の呼び出しと、人間的な働き方が出来ないのが悩みの種だ。医療現場の環境改善がなければ、医師不足の加速もやむ終えないだろう。
特にドイツ人は、仕事とプライベートをはっきり分け、家族と一緒に過ごしたり、自分の趣味にと余暇時間を大切にする。職業として医師を選ぶ人が年々減少しつつあるのもドイツの現実だ。