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韓国の小中高生の76.8%が「北朝鮮は脅威の存在」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
セウォル号沈没事故への政府の対応に街頭に出て抗議する高校生らの集会

韓国の小中高生らの目に北朝鮮はどのように映っているのだろうか?

韓国の対北所管部署である統一部が教育部と市・道教育庁の協力を得て10月20日から11月20日まで実施した世論調査によると、76.8%が「北朝鮮は我が国の安全を脅かしている」と「脅威の存在」と捉えていることがわかった。

北朝鮮が今年数十発のミサイルを発射しただけでなく、上陸訓練を始め韓国への先制奇襲攻撃を想定した軍事訓練を実施したこと、さらには北朝鮮当局やメディアによる好戦的な言動が影響しているものとみられる。同時に北朝鮮への対決姿勢を強めている朴槿恵政権の青少年に対する教育の賜物と言えなくもない。

昨日(27日)発表された統一部の調査結果は、全国の小中高生10万6千347人を対象に行った「学校統一教育実態調査」に基づくもので、「北朝鮮は我が国の安全を脅かしている」との回答率は昨年の75.5%に比べ、1.3%も上昇していた。

また、北朝鮮のイメージについては「独裁」との回答が最も多く、47.3%。続いて「戦争」(21.2%)、「貧しい」(9.3%)が続いた。「同じ民族・統一」は9.3%と、一割未満だった。

肝心の「北朝鮮はどういう対象か」との設問には「協力すべき対象」が約過半数の51.6%で、「敵視すべき対象」との回答が33.1%もあった。小中高生の3分の1は北朝鮮を敵視していることがわかった。

それでも北朝鮮との統一の必要性については「統一は必要」と答えた小中高生らは63.4%に達し、昨年(63.1%)とほぼ同じ水準にあった。

今回の調査では、その理由などついても質しているが、「戦争の不安が解消される」が28・2%とトップで、以下「統一すれば国力が強化される」(25.2%)、「同じ民族だから」(16.2%)、「離散家族の再会を解決できる」(14.6%)が上位を占めた。

逆に「統一を望まない」との回答者にその理由を聞いたところ、「社会混乱を招く」が31.6%、「北朝鮮体制が嫌いだから」が26.0%、「統一費用など経済負担が大きいから」が21.9%となっている。

政府機関による調査結果は一般的に政府の統一政策に添う傾向があるが、今回の調査でも回答者の約80.4%が「学校で統一教育を受けた経験がある」と回答するなど統一部主管の統一教育により影響を受けていたことも明らかとなった。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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