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セコい舛添都知事は氷山の一角。政治資金報告書の早期ネット公開をのぞむ

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
第三者のきびしい目をくりかえした舛添都知事(写真:REX FEATURES/アフロ)

KNNポール神田です!

マスメディアの舛添都知事へのバッシングがとまらない…。

都内の喫茶店の1万8000円の支出に着目。実際に喫茶店のオーナーを取材し、「舛添さんは店に来たことがない」「うちの店で1万8000円の領収書は出しことはない」「誰かが1800円に0を付け足したんだろ」との証言を紹介した。同店ではコーヒーは1杯400円とし、1万8000円となると45杯飲んだ計算になるとも伝えた。

出典:舛添都知事の新疑惑、“コーヒー45杯分”の領収書…「モーニングショー」伝える

コーヒー45杯分の領収書、1万8000円という偽装疑惑と、話がもうセコい話ばかりが突出している。週刊朝日のスクープだった。しかし、この領収書偽装詐欺の可能性は、2011年の5月のことである。国会議員時代のすでに今から5年も前のことなのだ。そんな昔話でむしかえすことよりも、現在、つまり昨年度はどうだったのかの方が気になる。すでに舛添都知事の政治団体である「泰山会(たいざんかい)」の2015年度の報告書は3月末日の締め切りなので報告されているはずだ。しかし、公開されているのは、2014年度の報告書のみだ。

http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/shikin-ta-20151119-0_ta01.pdf

東京都政の平成28年度(2016年)予算は、一般会計7兆110億円、全合計13兆6560億円である。こちらのカネの使い方の方にこそ、この舛添都知事の「セコさ」を最大限に活用してほしいものだ。

政治資金規正法で毎年11月末日までに公開

政治団体は、総務省もしくは地方自治の選挙管理委員会に収支報告書の提出義務がある。国会議員以外の団体は前年度分を3月末日、国会議員関連団体は5月末日と政治資金規正法で定められている。また、総務省での公開は毎年11月末までとなっている。

なぜ国会議員が締め切りが遅いのかを、総務省政治資金課の担当者にたずねてみると、それは、研修を受けた監査人の監査を受ける必要があるからという。登録政治資金監査人(政治資金規正法第十九条の十三)だ。

つまり、その監査人が舛添都知事の収支報告書を問題なしとしていたということのほうが驚く。2ヶ月も専門家の精査した報告書がそれだ。

すでに、舛添都知事は平成27年度(2015)分を2016年3月31日に東京都の選挙管理委員会に提出が締め切られているので、今までどおりの政治資金の収支報告書倫理感で提出されている可能性が高い。しかし、それらの公開は2016年11月末まで待たなければならない。これは、政治資金規正法の法律で11月末日までに公開となっているからそれまでに法に従い公開するというようだ。

この公開の先延ばし、そのものが、使途不明金、そのものを有耶無耶にさせてしまうものかもしれない。

なぜ、政治資金を公開するのに、国会議員以外の団体で8ヶ月、国会議員で6ヶ月も必要なのだろうか?

集計期間としても、半年も集計に時間を要するのだろうか?たかだか国会議員は700数名である。地方議員や首長も数百人だ。

デジタル化をもっと政治資金報告書にも活用しよう!

いつまでたっても、政治とカネの問題がなくならない原因のひとつに、デジタル化の遅れだと筆者は考えている。昨年(2015年)7月より、政治資金報告書は、ネット経由でようやく提出できるようになった。

政治資金関係申請・届出オンラインシステム

届出申請オンラインシステム
届出申請オンラインシステム

https://kyoudou.soumu.go.jp/kyoudou/Main?vc=GK020202_0

これにより、政治団体は、事前に申請すれば、報告書をいつでも提出することが可能になった。

この情報を集計して11月末に公開するのではなく、報告書が提出されれば即座にネット公開すれば、政治家の資金の流れがすぐにわかる。早く公開すればすればするほど、清廉潔白なイメージもできやすい。全体的な集計データは秋の公開でよいが、個々の政治団体の収支は、できれば、企業のように四半期ごとに公開するくらいが望ましいと思う。

公開されたデータがさらにAPI公開されれば、いろんな分析方法が可能だ。つまり政治家を国民が監視することが

できる最大の方法なのだ。国民や都民が不審と思えばすぐにそれを指摘することができる。

舛添都知事の、セコい運用は氷山の一角にすぎない。なんでも、「政治活動」として政治資金で流用できてしまうこの、何も規制していない政治資金規正法そのものをガラス張りにする必要がある。そのためには、ネットを活用した透明性が必要なのだ。舛添都知事だけが悪いのではなく、水面下で政治資金規正法を、活用している政治家全体を透明化すべきなのだ。そのためには、政治家専用のマイナンバーでヒモ付け、支払いをすべてキャッシュカードでさせる。すると、毎月請求額が公開される。それくらいの透明性を高める条文を一行、政治資金規正法に追加すべきなのだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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