宮城県 あす25日(金)は大雨のおそれ 台風被災地は土砂災害などに警戒を
台風19号が上陸して10日余り経ちました。甚大な被害の出た宮城県においては、その後も19日(土)や22日(火)にまとまった雨が降り、復旧作業の妨げになりましたが、あす25日(金)はそれらよりさらに雨量の多い大雨になるおそれがあります。再び土砂災害などに警戒が必要です。
主役は低気圧 脇を高気圧と台風21号が固める配置
あすの大雨の原因は西からやってくる低気圧で、既にきょう西日本では雨が降っています。
この低気圧は特段発達するわけではなく、低気圧だけであれば、宮城においては「大雨」という程ではなく「まとまった雨」で済んだかもしれません。
ところがここに別の役者が絡んできます。それが北海道の東に進む高気圧と、日本の東の海上を北上する台風21号です。
高気圧だけなら、湿った空気の影響できょうのように曇りますが、雨は降っても小雨で済むでしょう。
台風については、波は高くなるので注意が必要ですが、今回は陸地から離れた所を通るので台風本体の雨雲がかかることはありません。
いずれも単独では大雨をもたらす程ではないものの、これら3つの“合わせ技”により雨雲が発達する予想です。
ポイントは風のぶつかり合いです。
まず高気圧と台風の距離が短くなることで、2つの間で東からの風が強く吹きます。あす宮城県においても徐々に風が強まる見込みですので、強風にも注意が必要です。
そこに主役の低気圧が近づいてくると、低気圧の周りでは南からの風が吹いて、東風と南風がぶつかるようになります。
この風のぶつかり合いによって雨雲が発達し、その発達した雨雲が宮城県にもかかる予想です。
被災地域を中心に土砂災害・洪水に警戒を
あす午前中はまだ雨の降らない所もありそうですが、午後になると低気圧の接近に伴って活発な雨雲が宮城県にもかかるようになります。
特に夕方から夜遅くにかけては激しい雨が降り続き、県内の総雨量は100~150ミリに達する予想です。先週土曜日やおとといは総雨量が50~80ミリだったので、今回はそれらの2倍の雨量が予想されていることになります。
これは平時であっても、宮城県においては小規模な土砂災害や冠水などが発生する雨量です。
台風の被害が大きかった地域では未だに崖や堤防は傷ついている所が多いかと思います。そうした所では普段以上に土砂災害や洪水の危険性が高まりますので、斜面や川からはできるだけ離れて安全な場所に身を置くようにしてください。