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PGAツアーのダウンサイズ化が現実的、シード選手は100名に縮小される!? #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

PGAツアーの「この40年で最大の改革」として、ダウンサイズ化が行われることが、きわめて現実的になってきた。

とはいえ、PGAツアーという巨大組織が縮小されるわけでは、もちろんない。縮小されそうなのは、シード選手の人数や各試合の出場人数、そして下部ツアーから昇格できる選手の人数だ。

ダウンサイズ化の噂は今年の夏に米ゴルフウィーク誌が最初に報じ、その後も米ゴルフ界はその噂で持ち切りだった。

そして先週は、スポンサー推薦で試合に出場できる人数やマンデー予選を勝ち抜いて出場できる人数も縮小される見込みであることが、マンデーQドットコムによって伝えられ、千載一遇のチャンスを目指している多くのプロゴルファーを大いに動揺させている。

複数の米メディアの情報によると、現在、シード選手はフェデックスカップ・ランキングの上位125名とされているが、今後は100名に縮小されると見られている。

各大会のフィールド・サイズ(出場人数)は、現在は132名あるいは144名、156名とされているが、今後は多くの大会が120名までダウンサイズされる見込みだ。

また、下部ツアーのコーンフェリーツアーからPGAツアーへ昇格できる人数も、30名から20名へ減らされると見られている。

今のところ、このダウンサイズ化に関するPGAツアーからの正式なコメントは出されていないが、米スポーツイラストレイテッドによると、今年11月の理事会で承認され、2025年シーズン開幕から採用・実施となる可能性は、きわめて高いという。

ダウンサイズ化する目的の1つは、予選カットが行われる大会2日目が、しばしば日没サスペンデッドになっている現状を改善するためだとされている。

だが、ダウンサイズ化を推奨している選手の筆頭であるローリー・マキロイいわく、「シード選手も、各試合の出場選手も、少なければ少ないほど、競争は激しくなり、ベターなツアー、ベストな試合になる」とは、トッププレーヤーだからこその発言ではあるが、スピーディーな試合進行はTV中継を枠内に収める意味でもきわめて重要という意味で、このダウンサイズ化がスポンサーやテレビ関係者からも支持を得ていることは明らかである。

すでにPGAツアーは、プレーオフ・シリーズに進出できる人数を、かつての125 名から70名へ絞っており、ダウンサイズ化は「もう始まっている」と見ることができる。

人数が減ってスリムになる大会やツアーは、マキロイが言う通り、より良いものになるのかどうか。選手が少なくなることで淋しい雰囲気になったりは、しないのだろうか。不安や心配は尽きないが、どうやら、この大改革は敢行されそうな気配である。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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