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【土浦市】ランチのみ営業のレトロモダンな隠れ家、日替わり定食&あんみつも絶品!桜町三丁目「ふじや」

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

「なんてことない日の普通のごはん」ーーそんな想いを大切にした料理を味わえるのが「ふじや」。毎日通いたくなるような家庭料理を定食スタイルで楽しめます。店主のやわらかな雰囲気、手作り感あふれる店内の雰囲気にほっこりできるオススメの一店です。

通り沿いに掲げられた「ふじや」の看板が目印

土浦駅西口から徒歩約7分。土浦市役所の本庁舎が入っているウララビルと1階にたばこ店の入っているビルの間を直進して横断歩道を渡り、飲み屋が軒を並べる石畳の通りをさらに直進します。右手に「塚原医院」が見えてきたらもうすぐ。病院の2軒先に「ふじや」の文字が見えてきます。お店は通りから奥まったところに建つ2階建の建物の1階部分です。

店内は奥行きがあって寛げる雰囲気です。テーブル席は二人掛けと四人掛けがあり、入ってすぐの横長テーブルや窓に面した席はひとり利用に最適なカウンター形式になっています。

趣あるインテリアやオブジェも素敵

木のぬくもりあふれる店内にはやわらかな日差しが差し込み、ゆっくりとした時間が流れています。随所に配されているペンダントライトはよく見るとシェード(笠)がとても印象的。それもそのはず、ほとんどのシェードを裁縫が得意な店主のゆうこさんが手作りしているのだそう。レース柄がかわいいシェードは、膨らませた風船にショールを這(は)わせて仕上げたもの。

こちらのシェードは、床材のオガクズを固めた作ったもの。レトロモダンな雰囲気の店内の世界観にしっくりなじんでいます。

調度品もただ置くのではなく、ゆうこさんチョイスの生地でひと工夫。

壁に飾られた不思議なオブジェはゆうこさんのお気に入りです。

厨房の向かいにある棚にはアンティーク小物がずらり。こちらもゆうこさんお気に入りのコレクション棚。左の棚の3段目の右端にある水色の置物は陶器のオルゴールで、ゆうこさんの子供のころからの宝物だそうです。この棚はもちろん、お店全体がギャラリーを訪れたような楽しみにあふれています。

ところで「ふじや」という店名、地名にちなんでいるようでもないですし、ゆうこさんの名前にちなんでもいなさそう。どういった由来があるのでしょうか。

「土浦に京成百貨店があった頃、私の祖父が百貨店内で『フジヤ食料品店』という店を営んでいました。『ふじや』はその店名をひらがなにしたものなんですよ」(ゆうこさん)

2025年に10年目を迎える「ふじや」ですが、店名の由来を伺うと土浦に根付いてきた長い歴史が感じられます。ちなみに「ふじや」の正式な店名は「ごはん・おちゃ・おさけ ふじや」。全部ひらがなにしたのは、子どもから年配の方まで分かりやすいようにと名付けたそうです。ひらがなが多すぎるせいか「ごはん・おちゃ・おさけ」の部分を「おちゃづけ」と勘違いする方もいるのだとか(笑)。

メニューは日替わり定食とデザート&ドリンク

以前は昼の部と夜の部の2部制で営業していた「ふじや」ですが、現在は昼の部のみ営業しています(夜の部は完全予約制)。昼の部のメニューは日替わりの定食メニュー3種。取材に訪れた日は、ハンバーグ、豚ソテー、塩さば焼でしたが、焼きそばや夏野菜カレー、あじフライ、いわしフライ、マーボー茄子などが楽しめる日も。

ある日の定食メニュー「かき揚げ冷しうどん」(写真提供/ふじや)
ある日の定食メニュー「かき揚げ冷しうどん」(写真提供/ふじや)

ある日の定食メニュー「グリーンカレー」(写真提供/ふじや)
ある日の定食メニュー「グリーンカレー」(写真提供/ふじや)

「たまごちゃーはん定食」は、2017年にTVの取材で訪れたバナナマン日村さんが絶賛した看板メニューで、昼の部のレギュラーメニューとして楽しめます。食後のスイーツももちろん自家製。手ごろな料金も魅力のひとつです。

彩りも豊かな定食を実食!

3種類ある定食メニューの中で名前が気になって注文したのが「てり玉ハンバーグ定食」(970円)。“てりやき”ではなく、“てり玉”ってどのような料理なのでしょう。

こちらが“てり玉ハンバーグ”。見た目は半熟卵にマヨネーズがかかった料理のようですが…

半熟卵を割ってみると、中にはハンバーグが!お箸で切れるやわらかなハンバーグは肉汁たっぷり。醬油ベースのソースに浸かったハンバーグにとろーり半熟卵とマヨネーズを絡めるとコクのある味わいに。ご飯が進む絶品です。

彩り豊かな副菜もその日仕入れた食材によって異なります。もやしとゴーヤのおひたしは、ゴーヤのしゃきしゃき感がたまらない一品。白うりやかぼちゃを使った料理も食感よく仕上げられています。

こだわり素材で作る「あんみつ」も必食!

定食メニューでお腹がいっぱいになったとしても、ぜひ食べてほしいのがあんみつ(300円)です。

かわいい器もさることながら、なんといっても素材の良さが光る味がたまらないのです。寒天は、上質な天草の産地で知られる千葉県産、程よい甘みと粒感の小豆は北海道産、黒蜜は沖縄県産のオール国産。この3つの素材があわさることで極上のハーモニーが楽しめます。

「ふじや」はコーヒーもすごくおいしいので甘味のお供にぜひ。コーヒー以外にも紅茶や霊芝(れいし)茶、ハーブティー、ジュース類もあり、温かい飲み物は一杯ずつ鉄瓶で淹れてくれます(各300円)。

新潟の焙煎所でローストしてもらっているというブレンドコーヒーはドリップバッグを購入することも可能です。

店先に車が駐車できるスペースはありますが、2台停車するといっぱいになってしまうので、「ふじや」には徒歩で訪れるか、近隣のコインパーキングに停車して訪れるのがオススメです。

地元の人たちに愛される隠れ家的な一軒。

ランチを食べ終えて店を後にする際に、「いってらっしゃい」と元気に送り出してくれるゆうこさんの笑顔も印象的です。

「今日な何が食べられるかな」とワクワクしながらお店を訪れてみませんか?

店舗情報

ごはん・おちゃ・おさけ ふじや

住所:茨城県土浦市桜町3-7-3 MAP

電話番号:029-879-8080

営業時間:11:00-14:00(LO)

定休日:土・日曜(不定休あり)※祝日は営業

駐車場:あり(店頭2台のみ)

支払い方法:現金のみ

Instagram:fujiya0703

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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