「食糧」と「食料」どう違う?10月16日は「世界食料デー」
毎年10月16日は「世界食料デー」。世界の食料問題を考える日として、国連が制定した。毎年10月は「世界食料デー」月間なので、食に関するイベントが多く開催される。
ところでこの「食料」という表記の他に、「食糧」という表記がある。どう違うのだろうか。
「食糧」は主食、「食料」は主食も含めた食べ物全般
広辞苑を見てみると、「食糧」は「食用とする糧(かて)。糧食。食物。主として主食物をいう」とある。
一方、「食料」は「食物。食料品」と書いてあり、主食も含めた全般を指す。
宮城大学教授の三石誠司先生は、2017年3月10日付農業協同組合新聞のコラムで、両者の違いを書いている。
「違いがわかる事典」も同様の説明だった。
NHKは北海道の食料支援に「食糧」の表記
マスメディアの報道を見ると、この2つの違いを明確に分けていない場合が多い。
たとえばNHK。
いずれも災害時の支援物資としての食べ物なので、主食だけでなく、副菜なども含めた「食料」全般の意味で使っていると思うが、使われているのは米(コメ)偏の「食糧」という表記である。
10月のこの機会に違いを知る
実は筆者も、以前は違いを知らなかった。食品メーカーの広報室長時代、フードバンクから「世界食料デー」のお知らせを受け、「あれ?食糧という文字を使うのではないかな?」と思って調べてみて、初めて知った。
以前は「食糧問題」「食糧自給率」という表記も使われたようだが、最近では「食料問題」「食料自給率」という表記が一般的なようである。
10月の「世界食料デー」月間のこの機会に、多くの人に食の問題に注目してもらえることを期待している。