名古屋に薬膳ラーメンと呼ばれるご当地ラーメンがあるのはご存知でしょうか？千種区「好来（現　総本家 好来道場）」から始まった、好来系というラーメンの流派で、名古屋市とその周辺に10数店舗の暖簾分けをしたお店が存在します。

鶏ガラを主体に、豚骨・魚介と野菜を数時間煮込んだ淡麗スープが特徴で、その滋味深い味わいから、多くのラーメン通を唸らせています。今回は、名古屋市とその周辺から、好来系ラーメンの名店を厳選してご紹介！

総本家 好来道場

好来系の元祖「総本家 好来道場」。今なお創業当時の佇まいと、提供方法を守っており、好来系ファンの聖地となっています。

ラーメンそのもののみならず、松（デフォルト）・竹（メンマ増し）・寿（チャーシュー増し）という呼び方や、入口で注文してチップを受け取るスタイルは、好来道場が原点となっています。

鶏ガラ7割、豚骨3割の黄金比率、野菜の優しい旨味が溶け出したスープは、食べ進めるごとに染み渡っていくような味わい。途中で、高麗人参酢を入れることで、鮮やかに味変され、滋味深さが増していきます。

好陽軒

好来の古いお弟子さんである店主と奥さんが手がける瑞穂区「好陽軒」。

基本的には元祖のスタイルを継承していますが、ラーメンの味やトッピングには、好陽軒ならではのアレンジが見られ、根強いリピーターさんが多数。今や名古屋の好来系ラーメンを牽引するお店です。

有名なのは、スペシャルメンマと呼ばれる、メンマラーメン。30本以上の極太自家製メンマがトッピングされています。スープは鶏ガラの旨味が強く、好来系の中ではストレートな味わい。もちろんラーメンもとても美味しいですが、店主夫妻の温かい接客にも元気をもらえます！

一陽軒

好陽軒オーナーの息子さん夫妻が手がけている、天白区「一陽軒」。好陽軒の良さを守り、新たな好来系の一杯を生み出している人気店です。

従来、好来系では見られなかった、ハイブリッドスープを特徴としています。繊細で奥深い好来系の味わいと、豚骨のこってりとした味わいを両立している一杯は唯一無二と言えるでしょう。

好陽軒ゆずりの極太メンマを添えて、自家製の黒マー油をかけた「特上黒メンマ」はリピート必至の食べ応えと美味しさです。

太陽

千種区本山の一角にある隠れ家的名店「太陽」。元祖・好来のスタイルを守りながら、好来系らしさをシンプルに研ぎ澄ませた一杯を提供しています。

一口食べると、スーパーライトなスープに驚くはず。旨味があるのに、とても軽いです、最初はすこし物足りない気がするかもしれませんが、食べ進めるごとにじわじわ繊細な旨味が口に馴染んでいきます。

元祖のDNAを受け継ぎ、進化していながら、好来系王道の味わいを体現する一杯は、多くのファンを魅了して止みません。

好味家

名古屋市のとなり、日進市にある好来系ラーメンの人気店「好味家」。好来系の中でも、個性的な一杯を手掛けることで有名です。それが、こちらの快老麺。

素材の旨味が溶け出したスープの上に、まるで海苔のような昆布が覆っています。とろろ昆布のようにしてスープに浸していただけば、いかに好来系のスープが角の取れた優しい味わいか分かるでしょう。

薬膳ラーメンと呼ばれる好来系らしい滋味深さもしっかりと感じます。食べ応えあるストレートな麺をすすり、スープを飲み干したら、お腹も心も満たされますよ。

いかがでしたでしょうか。名古屋ラーメン界のラスボスとも称されている「好来系ラーメン」。ぜひ素材の旨味が溶け出した、豊かな美味しさの一杯をいただいてみてください！